お久しぶりですおしりです。
今回はふりーむにて配信されているADV「AlexiA~アレクシア~」をクリアした感想とその内容の解説をしていきます。
本作はA、B、Cパートの3部構成でエンディングは2種類、全てを読み進めるのに4~5時間程度のボリュームです。
内容としてはいじめや障害がメインで鬱要素、ヤンデレヒロインといったかなり人を選ぶものとなっています。
では早速本題へ。
目次
Aパート 愛と嫌悪
まずはAパート「愛と嫌悪」の解説から生きましょう。
本作のエンディングは2種類用意されていて1つは簡単に辿り着けるほたるエンド、もう1つはB,Cパートまで続くまなみエンド(仮名)となっています。
せっかくなので両方解説しましょう。
まず1つめのエンドですが、こちらは幼馴染の穂多留(ほたる)と一緒にテスト勉強をしたりサンドイッチを食べて楽しい高校生活を送るという内容です。
そんなこんなでラストは主人公の游雅(ゆうが)といちゃついて終わりとなります。
以上!ほたるエンドでした~。
と思うかもしれませんが本当にその程度の内容です。
このほたるエンドはおそらくおまけですね。
最初から最後までゆっくり読み進めても1時間前後でエンディングを迎えますしタイトルに書いてある「電波障害」要素は特に出てこないです。
なのでこのほたるエンドは不正解のルートとなります。
とはいえ後半部分の伏線も多少は張られていたのでクリアした今では「一応ほたるエンドも見といて良かった~」と思います。
続きまして、紹介するのは正解ルート、というかこちらが本編です。
分岐の条件は正しい選択肢を選ぶことで本作のもう一人のヒロイン
車窓眞那彌(しゃそう まなみ)と出会うことです。
まなみとはゲームセンターで出会いこの日をきっかけに主人公ゆうがとまなみは毎日のようにメダルゲームで遊ぶようになります。
ですがほたるはゆうががまなみと遊んでいることについて大激怒します。
ほたるエンドでは幼馴染系の可愛い彼女でしたがまさかの・・
ヤンデレ系ヒロインでした
その後は部屋に監禁されほたるの話を聞くこととなります。
なぜここまでするのか具体的なことは教えてくれないほたるでしたが
「この世界を望んだのはゆうくん」という発言からゆうがは自分の過去を思い出し始めます。
そしてOPが流れ過去編へ突入。
ほたるルートの和やかな雰囲気から一変、シリアスな流れになります。
Bパート 否定
Bパートは一気に雰囲気が暗くなります。
UIも変化してモノクロになりゆうがの心情描写が多くなります。
ゆうがは文字の読み書きができないことでテストの点数が悪く教師や生徒にいじめられています。
そんな暗いシーンから始まります。
しかも学校内だけでなく家でも母親に怒られ自殺を考えてしまう。
そんな憂鬱な毎日を送るゆうがでした。
そんなゆうがは苦しい毎日に耐えられなくなりゲームセンターAlexiAに入りメダルゲームで遊びます。(さりげなくタイトル回収)
メダルゲームの調子は絶好調であっというまにに1枚から数百枚まで増やせました。
このシーンの演出は気合が入ってます。
何をやってもうまくいかなかった少年が初めて熱中できるものを見つけたときの感情が細かく描写されてい手に汗を握りました。
ですが帰る前にメダルの預け方がわからず困った顔をしているとセーラー服を着たお姉さんがメダルの預け方を教えてくれました。
これがお姉さん車窓眞那彌との出会いです。
この日以来Aパートと同じく放課後にゲームセンターで遊ぶことになるのですがBパートの方が会話や感情が丁寧に描写されているので出来の良い恋愛小説を読んでいるような気分でした。
こうして仲良くなったまなみにゆうがは自分がいじめられていることや文字の読み書きができないことを打ち明けます。
それを聞いたまなみは”ディスレクシア”の可能性を疑いました。
ディスレクシアとは生まれつき文字を認識することが困難な障害のこと。
ゆうがはこれが原因で黒板に書いてある内容を理解できず苦しんできました。
翌日、診察を受けてディスレクシアということが判明、母親と学校側に相談してディスレクシアが原因で悲しい思いをしなくても済むように対応してもらうことになりました。
こうしてゆうがは平和な学生生活を手に入れまなみと付き合うことになりハッピーエンド♪
っていうのは嘘で
そう簡単に幸せにはなれないところがこのゲームを鬱ゲーたらしめている所以です。
一度異端な存在だと判断されてしまうとなかなかそのイメージはぬぐえないもの、学校とはそういうところです。
教師側からの理不尽な扱いは解決しましたがクラスメイトからは相変わらずの腫れ物扱い、いじめが発覚すれば大事になるので誰もゆうがには近寄ろうとしません。
唯一の癒しだったまなみも大きな悩み事を抱えている様子でしたが悩みの種をゆうがには打ち明けずゲームセンターには来なくなりました。
最初は無視されるだけだったのにディスレクシアであることをクラスに説明して数日、以前よりも過激ないじめに発展。
結局のところ、最悪な学生生活は何も変わりませんでした。
(いじめの描写がリアルすぎてドン引きしました。)
それでもまなみ以外に本音を話せる人がいないゆうがはゲームセンターへと毎日足を運びます。
そこでようやく・・・
まなみと再会します
まなみは髪をバッサリ切っていました。
ゲームセンターに来なくなる直前に抱えていた悩み事も解決したみたいで久しぶりの再会にテンションが上がった二人はまなみの家でイチャイチャします。
帰り際に次もゲームセンターで会う約束をしてこの日は解散しました。
ですがゆうがが住んでいる町では殺人事件が発生していて犯人が逃走しているニュースが話題となっています。
これが原因で学校側も生徒が真っ直ぐ家まで下校しているか監視を始めます。
ゆうがはまなみと会おうとしていましたがこの監視をくぐり抜けてゲームセンターへ行くことは困難だと判断してしばらく学校と家を往復するだけの日々を過ごします。
ですがある日の夕食の時間に流れていたニュースでゆうがは最悪で凄惨なものを見てしまいます。
ここから先がAlexiA史上最高の鬱展開です。
その最悪で凄惨なものとは、、
まなみの死でした
ニュースの内容によると
まなみは痴ほう症を患っていた母親を殺害し、バラバラにした後ごみとして処分。
その後、自室で首を吊り自殺したことが判明します。
その事実を受け入れられないゆうがは何日も何日も悩み苦しみます。
悩んだ結果ゆうがは
自殺します
まなみのいない世界に生きる意味を見出せないゆうがは死ぬことで自分の望んだ世界、すなわちAパートのトゥルーエンドのような世界へ旅立てると考え睡眠薬を飲み込みます。
こうして辛い現実に絶望しながら気を失いBパートは終わります。
どうあがいても最悪な終わり方しか想像できん、、、
Cパート そして、選択
Aパートの終盤へ切り替わりCパートが始まります。
過去編であるBパートが長すぎてすっかり忘れていましたがAパートのラストで思い出した過去の出来事がBパートだったんですね。
分かりやすいようにおさらいすると時系列はこんな感じ
ここまで話の流れは理解できてますよね?
つまり、A、Cパートの世界はゆうがが自殺を図った後の精神世界、生死の境をさまよっているときに見ている光景です。
Bパートで自殺したことを思い出したゆうがはこのまま精神世界でAパートトゥルーエンドのような日常を送り続けるか現実世界に戻って自分と向き合うか悩んだ結果、、、、、
現実世界に戻ります
ゆうがが望んだ生き方は「自分を肯定して生きること」
それは現実世界でなければできないことだと考え精神世界のまなみに別れを告げます。
そしてエンディング、最後に「現実に戻りますか?」という選択肢が出現し本作は幕を閉じます。
かなり要約したので細かいところは伝わらないと思いますが実際はもっと濃い内容です。
それもこのネタバレ記事を読んだ後でも楽しめるほどに。
AlexiAの内容は以上です。
おしりの感想
解説だけでかなりの長さになってしまいましたがもう少しだけぼくの感想にお付き合いいただければと思います。
タイトルにも書いてある通りかなりの鬱ゲーですね。
旧劇エヴァンゲリオンのような鬱描写が多くて気が滅入りそうになりますがいじめや障害、自己肯定感について強いメッセージ性が込められています。
誰しも他人と比べて「どうして私だけできないんだろう?」と悩んだ経験はあると思います。
ぼく自身そういった経験は何回もしてきたので作中で何をやってもうまくいかない主人公を見てとても感情移入してしまいました。
だけど、現実は誰も助けてくれないし結局自分の味方は自分だけ。
それでも幸せになるためには自分で考えて行動しなければならない、強く生きなければならないということを教えてくれる作品です。
もし自己肯定感が低くなっている人がこれを見ていたら本作をプレイしてラストのゆうがに励まされてください。
ディスレクシアについてはアベプラにて取り扱われたテーマでもあります。こちらはYouTubeにて視聴できます。
フリーゲームにしてはかなり完成度が高くA、B、Cパートの時系列を敢えてずらすことで面白い見せ方をしてくれたりテーマを絞ることで伝えたいことがはっきりと伝わる物語構成になっていたりと完成度の高い作品です。
スピンオフの制作も決まっているみたいなのでこちらも完成したら必ずプレイするつもりでいます。
ではこれにて終わりますありがとうございました!