おしりです
今回は命をかけた、純愛
G線上の魔王の全エンディングを制覇したので物語の核心に迫らない程度のネタバレと共に評価感想を書いていきます
私がこれを買った理由は評価が高すぎることと無能なナナが恐ろしく面白かったことと車輪の国のADVとしての出来が異常なまでに高く「これ考えた人天才じゃ!」と思ったからです。
一言で言うとるーすぼーいというシナリオライター様を崇拝しているから
ですね
目次
概要
本作G線上の魔王はAB2(あかべえそふとつぅ)より2008年に発売されたR18ゲームです。
シナリオは漫画「無能なナナ」や同じメーカーで移植もされている車輪の国でお馴染みのるーすぼーい様
ジャンルとしては純愛もののサスペンスでコナン映画のような内容をイメージしていただければと思います。
簡単なあらすじと登場人物を先に解説してしまいましょうか
まずは主人公の浅井京介(あざいきょうすけ)
作中では浅井ですが旧姓は鮫島で過去に家族共々地獄みたいな生活を強いられていたことが原因で浅井として都会で一人暮らしをしています。
浅井になった経緯としては借金が原因でお金を得るために浅井権三というヤクザの手下になったからです。
そして権三からは「世の中は金が全て、金のない人間は家畜であり人間ではない」というイカれた思想を吹き込まれ権三の息子として学校に通いながらもグレーな仕事で稼いでいます。
目的は多額の金を稼ぎ借金を返済して母親と暮らすこと。
次にメインヒロインの宇佐美ハル(うさみはる)
タイトルにも書いてある魔王を追って京介の学園に転校してきた女の子でロングヘアというか毛量エグいというか色んな意味で頭がすごいです。
頭すごいのもう一つの意味は回転が早すぎるということ。
本作の主な内容は魔王というルルーシュみたいなめっちゃ頭が良い犯罪者との高度な心理戦がメインです。
なので何重にも張り巡らされた策をお互いの洞察力や推理で突破し勝利を目指すのです
となると当然異常なまでに頭の良いキャラが出てきますよね?
それがこのメインヒロイン宇佐美ハルです。
パッケージのセンターで本作のラスボスである魔王を倒す勇者などと宣言していることからメタ的にもメインヒロインであることは明白ですね。
本人曰く魔王とは因縁があるらしく転校してきた理由も魔王を追ってきたから。
次にこの二人以外の登場人物について。
長くなりすぎるのは私は嫌いなのでささっと進めます。
相沢栄一 エ○ゲあるあるの主人公の相棒ポジション
特徴は表は可愛い系の男の子を演じているものの性格がクズであること。
浅井花音 こちらもエ○ゲあるあるの主人公の妹ポジション
とはいえ京介にとっては形だけの妹で血はつながっていません
将来有望なスケート選手で父は権三、母は元スケート選手
美輪 椿姫 同級生でとても素直な良い子。
登場人物の中でぶっちぎって普通の良い子です
白鳥水羽 学園の理事長の娘。
エ○ゲあるあるのツンデレ枠でこいつのルートへ進まずトゥルーへ進むと影が薄い!
浅井権三 京介の養父、職業は見ての通りです
うっかりエ○ゲの世界に登場してしまった龍が如くの世界の人です。
極道としての地位はかなり高く舞台であるセントラル街は権三の支配下
京介の行動はこいつのせいでかなり制限されたりと圧倒的な存在感を放っています
魔王はこいつらを自分の犯罪のターゲットとし巻き込まれたみんなを助けるために京介とハルが動くのです。
前半は良くも悪くも普通のサスペンス?
意外と登場人物に感情を揺さぶられる系の内容でもありますので先に登場人物紹介とさせていただきました。
次に本作の流れですね。
章ごとに一つの事件が起こりそれを解決⇨ちょっとした学園生活⇨それからまた魔王による次の事件が起こり次の章が始まる
この繰り返しですね。
1章は序章とも言える内容で主人公とその周りの登場人物の特徴や本作の舞台をざっくりと描写して最後にパッケージにデカデカと映るメインヒロイン宇佐美と魔王が対峙するところまでです。
ここは特に分岐なんかもなくなんとなく本作の雰囲気を掴める章で体験版の範囲ともなっています。
その後の2章からは女の子の章でもあり2章は椿姫3章は花音4章は水羽ルートとなっておりその女の子たちが魔王の犯罪行為に巻き込まれそのピンチを主人公である浅井と宇佐美コンビで解決していくのです。
肝心の心理戦ですが主人公サイドと魔王サイドが交互に描かれるのでお互い勝利条件を満たすための描写がとんでもなく丁寧です。
基本的には魔王が仕掛ける事件なので魔王側が有利なのですが宇佐美は頭が良すぎるので我々プレイヤーが想像もしなかった作戦で魔王に一矢報います。
一見犯人への手がかりに見える痕跡も実は魔王が用意したブラフだったりほんの少しだけ描写された出来事が後々事件を大きく左右したりとダンガンロンパのように展開は二転三転します。
それと見せ方もうまいですね「なるほどここで魔王目線になるのか!」といった感じに場面転換をうまく使ってます。
車輪の国のラストや無能なナナの1話のようにやはりるーすぼーい様はプレイヤーや読者を騙す
というか主人公目線にこだわらず神の視点で物語を視るプレイヤーが驚愕するように魅せてくれるので本作でもそれは実感させてもらいましたね。
とはいえ忖度なしで言うと1〜4章までは学園生活を挟みながらそんな感じの流れで良くも悪くも普通のサスペンスものですね。
正直に言うと1章完結の事件簿的な内容なのでそこは「読み進める手が止まらない!」とまではいかずまあ普通くらいにしか思えませんでした。
当然ちゃんとしたサスペンスなので普通に面白いんですがいかんせん私の好きなジャンルがループだったりペルソナみたいなゲーム丸々1本分のボリュームで描く壮大なストーリーだったりするので本当に普通のサスペンスものですね。(2回目)
ただし宇佐美の思考回路や仮説を立てて行動したり忘れないうちにお互いの練り込まれた作戦についての解説が入ります
なので事件が進むにつれて予想外な展開にはなりますがでその辺りは「わかりやすい面白さ」だなと思いました。
でもって4章の事件もそんな感じに魔王と主人公サイドの心理戦が繰り広げられるんですがここは別格の面白さだと思いました。
これまでと同じく事件が起こり立て篭もりに対して交渉を行うことになるんですがこの事件はマジで二転三転四転くらいして緊張感がハンパないです。
しかもこれまでの事件がなんやかんやで無事に解決したと言えなくもない終わり方だったのに対してこの4章の中盤あたりから取り返しのつかないことが起きまくってゲームの雰囲気が大きく変わります。
トゥルーまでの流れは見事
ということで4章終盤からトゥルーまでざっくり。
ここから先は何を言ってもネタバレになるのですが4章中盤からトゥルーエンドまでは本当に面白かったです。
5章からは魔王との対決になり目的や過去の出来事が明かされるんですがそこで細かく張り巡らされていた伏線を回収してくれます。
命をかけた、純愛というキャッチコピー通りこれが純愛の物語であることもね。
私が釘付けになったシーンはラストの主人公がハルを庇う(少しぼかしてます)シーンです。
魔王との事件でヤバいことになった宇佐美ですが京介は全てを捨てて宇佐美を庇います。
そんな京介をみてこれまでの章で魔王の事件に巻き込まれた女の子に「どうしてあなたがこんなことに!」的なことを泣きながら言われるんですがここはサイコ野郎の私ですらちょっと泣きそうになりました。
これまでの京介は権三の下で黒でも白でもないグレーな仕事をしていて魔王との事件で女の子を助けたとはいえ金儲けのために利用もしていた決して善人とは言えない京介が宇佐美と関わることで変わったこと
これまでの章で関わった女の子が登場して最後の言葉を残していってくれるのでマジで最終章にふさわしいです。
それに京介という主人公は間違いなく重要人物ですが宇佐美だったり魔王だったり視点が切り替わることの多いこのゲームにおいてはそこまで活躍が描かれることもなく好きになれるシーンが少ないんですよね。
それゆえにここの京介のかっこよさが強調されて強烈に印象に残りまくっています。
いくらネタバレに考慮するとは言えこのシーンだけは絶対に触れようと思ってました。
4章終盤からトゥルーエンドまでで私の中の評価が「まあ普通」くらいから「最高によくできた純愛サスペンス」に爆上がりしました。
個別ルート
お次は個別ルートの話です。
パッケージに写っている女の子4人の中で宇佐美を除くと3人この女の子とは各章の選択肢によって個別ルートへ分岐します。
個別ルートへ分岐すると宇佐美と結ばれることはなく少し寂しそうな顔をされ違う女の子と真剣に付き合うことになるのですがこれに関しては
まあ普通
くらいの評価です。
先に言っておくとちゃんとした内容でちゃんと感動する内容です。
ただ私がどうしようもないほどのサイコ野郎であるせいで普通という評価をしているだけです。
なのでちゃんとした恋愛ゲームが好きな人は全然泣けると思いますので決してオマケみたいなシナリオではありません。
というか4章のヒロインである白鳥水羽に関しては本格的に交流を深めるのが4章からで1回しか遊ばず事件に巻き込まれそのまま最終章の魔王との決戦になるので個別エンドを回収してないとなんかこの子だけ出番少なかったな〜という印象になります。
R18とはいえ個別ルートに進まなければhシーンに突入しないので最長でどれだけhシーンに突入せず進められるのか気になって試したところ5章でようやく宇佐美が脱ぎました。
そんな感じに私はトゥルー一直線で読み進めたので水羽だけ印象に残りませんでした。
ラストの泣かれるシーンではこれまでの女の子が集結するので水羽だけはトゥルーの前にやっといてもよかったかなと思いました。
一応各ヒロインにはハッピーとバッドの2パターン用意されているんですがバッドエンドはかなりあっさりとしています。
京介は元々グレーな人間なので女の子も影響を受けて悪い方向へ…
みたいなことがさらっと描写されて終わりみたいなパターンが多めでしたね。
逆にハッピーエンドは女の子の家族の悩みを知り京介ができる範囲で支えてあげて幸せを掴み取ると言うものです。
個人的には花音の章で毒親関連のエピソードがありそこは胸糞に感じたのですが全員最後は幸せになるハッピーエンドです。
トゥルー以外のルートに進むと魔王は行方をくらまし宇佐美も魔王を追ってどこかへ行くのでこのゲームの真相には辿り着けません。
総評
めっちゃネタバレに考慮して書かせていただきました。
なので所々ぼかしてますがご了承ください。
以下まとめと私の感想です。
まずトゥルーまでの内容ですが前半部分の1〜3章までは良くも悪くも普通のサスペンス
めちゃくちゃわかりやすく犯人の思考や被害者の心理が描写されるのでリアルすぎる事件をみるのは普通に面白いです。
同時進行で京介は物忘れが激しいことや宇佐美がめっちゃ長い髪を切らない変人だったり何気ないシーンも描かれますが実は伏線だったりミスリードだったりで終盤では「さすがるーすぼーい先生!」と叫んでしまいましたね
そして私的に本作の魅力のほとんどが集約されていると思う後半部分の4章〜最終章まで
ここは本当に素晴らしい!
4章も普通のサスペンスな内容ですが3回くらい「えっ!?マジでっ!?」ってなりました。
これまでの章が普通くらいの面白さに感じた私ですがここは面白すぎんだろと思いました!
でもって4章が終わってから最終章までは事件の規模も大きくなり魔王との決戦です。
詳しいことは言いませんが魔王関連の事件については見事に全ての謎も伏線も回収しきって終わってくれました!
めっちゃ綺麗に終わってます。
そしてトゥルーエンドですが作中で悪いことをしている人間は相応の報いを受けている人が多いです。
もちろん京介も魔王も…って感じですね。
私にしては珍しく電波でも鬱でもなく普通に面白いゲームのレビューになりましたのでこれは本当に自信を持っておすすめできます。
それゆえに本作がCS機に移植されずPCでしかプレイできないのはちょっと悔しいですね。
車輪の国が移植されているから尚更そう感じます。
私はこうしてるーすぼーい様原作の
車輪の国⇨無能なナナ⇨G線上の魔王
の順番でクリアしたわけですがどれも面白い設定で最高にうまい魅せ方をしてくれます。
この3作品の魅力は「この人のシナリオがすごい!」みたいな話題で取り上げますのでまた別の機会に話しましょう。
ではこれにて終わりです。