さよならを教えて 終の空 ジサツのための101の方法
という3大電波ゲームのうちの一つである終の空を元に制作されたR18ゲーム
素晴らしき日々の全エンディング制覇しましたよぉ!
ということで今回は10年以上前に発売された不朽の名作素晴らしき日々〜不連続存在〜について紹介評価していきます
ほとんどのゲームはネタバレなしでの初見プレイが一番面白いと思っている私ですが本作については多少の知識がある方が楽しめると思いますので物語の核心に触れない程度に紹介しましょう
目次
基本
ケロQより発売されたR18ゲームで類似作品として同じ製作者すかぢ様の終の空 終の空リメイクが存在します
あちらはさよならを教えてジサツのための101の方法と同じく3大電波ゲームとして有名ではありますが本作は終の空とは一応別作品です。
10th記念の3作品同梱版やSteamもありますが初代終の空は起動するか
わからないなどの注意点があるのでとりあえず始めたいならフルボイスHD版で良いんじゃないかと思います
複数人の視点で描かれる世界滅亡までの非日常
てことでざっくりと後半に差し掛かるところまで紹介しましょう
ガイドラインにより体験版の映像しか使用できないので映像はあくまでイメージです
最初は女主人公水上由岐視点で描かれるラブコメ展開でここはかなり退屈です
主な内容は幼なじみの若槻姉妹とゲーム開始からすぐ出会う高島ざくろと日常を過ごすというものです
この若槻姉妹は元ネタがらき🌟すたの柊姉妹で見た目も中身もそのまんまです。
そんな四人の日常を描いた序章はそれ以外特に言うことはありません
まあ強いて言うなら動画用に体験版の範囲(1時間ほど)を読み進めたところ本編とのゆるい繋がりや考察ポイントは多かったので2週目以降は面白かったです
そんなこんなで序章は三人のうち誰かと結ばれエンディングへ。
男の人は出てきません!
ここまではめっちゃ雰囲気が明るいですが本編はかなりハードで陰鬱なシーンがあるので体験版までをOPとするのならばある意味OP詐欺とも言えます
1章水上由岐
てことで体験版の範囲を序章として扱い本編の話にいきましょう。
主な舞台は夏の東京北校という高校
7月の20日に世界滅亡の噂が流れその不安は高島ざくろという高校生の飛び降り自殺を機に膨れ上がっていく
世界滅亡などという非現実的な予言に多くの人は耳を傾けないはずだったがあらゆる不可解な出来事が重なり北校では20日が近づくにつれ恐ろしい出来事が頻発していく
あらすじと作中で起きる出来事はこんな感じで(実際は前後の出来事もいろいろありますが)大筋は終の空とほぼ同じです
さらに登場人物も半分ほどがあちらと見た目も名前も全く同じ人がいます
主人公は序章と同じく水上由岐
北校が20日までの間に狂っていくのですがそれの原因を突き止める為に由岐が行動していきます
その過程で謎の現象や人物と遭遇し20日を迎える主な内容はそんな感じです
しかしながら世界滅亡の日7月の20日に終の空を迎えても意味不明な場面が多くバッドエンドです
謎のほとんどは解明されずそこまで面白くないです
2章間宮卓司
一番電波な章でキモオタである間宮視点できもすぎる展開が繰り広げられます
先ほどの章と同じく終の空出現までの一連の流れを間宮視点で読み進めることになります
しかしさよならを教えてと同じく間宮はキモオタで狂いすぎている為
魔法少女リルルちゃんが見えてしまったりざくろの机とhなことをしてしまったりで電波すぎてやばいです
「リルルちゃんののおちんちん…?」
とか言い始めます
たぶんめっちゃ真剣な顔で言ってたと思います
これは一部分ですがこの章がいかに異常で電波であるかはなんとなく想像できたと思います
そして間宮は先ほどの幻覚リルルちゃんとの会話やらなんやかんやで急に覚醒し「自分は救世主」と名乗り始めます
そこで謎なのが自信をつけて狂ったシンジくんのようになるだけでなく喧嘩も強くなり救世主らしく学校の生徒を自身の狂信者にすることに成功します
こうして力を手に入れた間宮は世界最後の日に全てを終の空へ還すことにします
この空へ還す理由は20日に世界が終わるから救世主である自分が多くの人を終の空へ向かって飛び降りさせるということ
つまり集団ダイブです
そうすることで人々は救済されると信じているのです
まあ言ってることは訳わからないと思いますが本当にそんな感じの内容です
一応間宮視点で話は進みますが全く感情移入できませんし理解もできません
最初から最後までとにかく電波な
内容でいじめ薬物特殊プレイなどなどきつすぎる描写が多い上に謎が増えまくります
謎が増えるといってもその謎が意味不明すぎて十三騎兵のように
「新しい謎が増えたけどもしかしてあの一件と何か関係が?」
みたいな考察できる面白い謎ではなくただただ意味がわからないことの連続なので結構苦痛でしたね
しかもこの章
めっちゃ長いです
てことで私は2021年に2章で投げ出して20ヶ月ぶりくらいに再開してクリアし今に至ります
ですがこれらの謎は3章後半から答え合わせが始まるのでここまでの謎にもやもやすればするほど後半の答え合わせ編にのめりこめます
3章高島ざくろ
この人物が自殺することで物語が大きく動き出す本作
大半はざくろが自殺を決意する以前の出来事です
間宮編がクッソ電波な内容だったのに対してこちらはそこまで電波ではないです
その代わりいじめ薬物尊厳破壊の描写が作中1多く
2章とは違う意味で読み進めるのがきついです
というかこれまでの章でざくろは自殺していたのだから当然
”ざくろが屋上からの飛び降りを決意するまで”が描かれます
これまでの章では序盤のざくろと飛び降り直前のざくろの雰囲気が違いすぎるので多くのプレイヤーが違和感を抱きます
なのでその答え合わせ編でもありますね
飛び降りENDが正規ルートで超バッドエンドですが実は救われるルートも存在するのでそのおかげでほんのすこし
激薬を希釈できてるな〜という印象です
4章悠木皆守
ここから本格的にこれまでの謎の答え合わせが始まります。
主人公は間宮編で間宮をいじめるDQNをいじめるフリーザみたいな最強キャラ悠木皆守
出番が少なくただの暴力マシーンだったこのキャラですが実は超重要人物で新たな一面を見せまくる主人公です
3章の後半から本格的に面白くなり始めてこの4章開始からずっとのめり込んでぶっ通しで読み進めました
これまでの謎、間宮編の電波すぎる展開の答え合わせです
それ+哲学的な会話やら人間の脳についての話が多く好みが分かれるもののとにかくおもしろいです
パワポケ13の千羽矢Ever17あたりが好きな人はめっちゃ楽しめると思います
この後もまた別キャラの視点で5章6章と続いて終の空で集団ダイブに至るまでの数日間で空白だった部分を補完していくのですが核心に触れてしまうので今回はこの辺で
そんな感じにすば日々本編は全6章構成でそれぞれ違う視点で同じ物語を見ていくという群像劇です
でもって作中で起こることは夏の間に起きた7月20日の世界滅亡の予言に慌てふためく様子を描いただけだったりします
とはいえ3章までの間にとんでもない量の伏線と謎と違和感をばらまきまくって4章からしっかり回収するところは見事です
私が本作を名作だと思っている要因の半分以上はここにあります!
3大電波ゲーの一つである終の空を基としたゲームであることからかなり電波な内容だと思ってましたが
全エンディング制覇後にたどり着ける終の空Ⅱエンドをみて序盤の気になった部分を再度プレイした時にはそれほど電波ゲーといった印象は抱きませんでした
当然1、2章は電波すぎる内容ではありますが本編の出来事はしっかり読めばすば日々単体で説明できるものがほとんどです
本編もとい終の空に還る日である20日の事件のその後を描くエピローグ素晴らしき日々までは複数人視点を活かしたシナリオの完成度の高さに惜しみない賞賛を送りたいです
なんだかんだで私がここ最近プレイしたアダルトゲームの中では比較的おすすめできる面白さです
考察要素
はいここまでが過去編と本編6章その後のエピローグの私の評価一行で言うと
「前半は苦痛だが後半は最高」
シュタゲみたいなどんでん返しと感動が待ち受けているよくできたADVだと思います
しかし正規ルートではない(と思われる)個別エンドの一部には考察必至なものがあったりします
特にそう感じたのが前述した終の空Ⅱエンド
このエンディングを迎えるまではエピローグの素晴らしき日々で綺麗に終わっている感を出していたのですが急に謎が多い状況に直面します
このエンディングでは謎の多い状況に対して音無彩名という女の子がいくつかの仮説を示してくれるのでなおさらプレイヤーに考察を促しているような気がします
気になってまた最初からプレイしてみるとやはり伏線となっていた場面がいくつも見つかり何パターンもの考察が捗ります
おそらくちゃんとした答えが明言されることはありませんが考察ポイントが多いので私は好きです
短所
電波ゲーと言われた終の空を元に作られたゲームなのだから当然プレイヤーを篩にかける要素も多数あります私が主にそう感じた要素は
いじめ
哲学的な会話
引用が多い
この3つです
いじめについては2章の間宮と3章のざくろ編がひどいです
この二人についてはいじめられるような態度や言動なので必然的といえばそのような気もしますがリアルないじめの描写に耐性がなければメンタルやられるかもしれません
特にざくろに関しては最初から最後までいじめがテーマになっていて正規ルートでは圧倒的な尊厳破壊の後にいじめが原因で狂ってしまいます
直接の原因では無いものの飛び降りを決意した要因の一つは壮絶ないじめです
次に哲学的な話についてですがこれもそこそこ多いです
めちゃくちゃ多いと言うほどではありませんがそれほど詳しく説明することもなく哲学の会話が繰り広げられるのでそっち方面の話に興味がなければただテンポを悪くする要素にしか感じられないのかもしれません
私は夜な夜な思考実験や哲学がテーマの動画を観てる人間なので楽しめましたがね
最後に哲学や神話の引用
これは各章の始まりや作中でも頻繁に出てくるので哲学の話と同じく元ネタを知らなければ楽しめないかなと思います
私は哲学とは真逆でこれらには疎いものでなんとな〜く読んでました
それでもウロボロスやヨルムンガンドといった神話について軽〜く説明してくれたりはするのでそこまで苦痛ではありませんがね
総評と感想
ゲーム起動から3章の終盤まではただただ謎が多い電波ゲーですが4章からの答え合わせは最高に気持ちいいです
実際にプレイすると数十時間のボリュームではありますが本編で起こることは7月20日の世界滅亡に関連する事件と各人物が
それを中心にどんな行動をするかを描いたものでその一連の流れは謎が解明されるのでクリア後は割とスッキリしますね。
オカルトホラーな描写は多いですが非現実的な事は起きていないので
なぜこの視点だとこう見えるのか?
違和感があるやりとりの真相は?
怪奇現象としか思えなかった事件の裏側は?
こういった謎を段々現実的な考えで紐解いていけるのも面白いです。
この動画で結局のところどんな内容なのかはあまりわからなかったかもしれませんがそこは大丈夫です
1週じゃわからないことの方が多いから!
まあ考察ゲーな部分は多々あるのでそういう楽しみ方のゲームだと思っていただければと思います
それと作中でピアノの出番が多いためかBGMのピアノも画面の明るさと相まって良い雰囲気です
エンディングも曲の数が多くざくろの飛び降りエンドではホラーな雰囲気
終盤の感動的なエンディングでは明るい曲でハイクオリティですね
考察や伏線もめちゃ丁寧に多く張り巡らされているので2週目は新しい発見が多いスルメゲームでもあります
今回は物語の核心に迫る部分、群像劇であることを活かせていると感じた理由についてはほとんど触れていませんがその辺りはゲームであることを利用した面白い仕掛けがあったりします
そういった部分含めて良いアダルトゲームです。
いじめや薬物といったマズイ描写は多いですが耐えられないほどでもないのと終の空未プレイの私でも本作のみでかなり満足できたので多少抵抗があってもおすすめするくらいには名作だと思います