誹謗中傷、罵詈雑言、でたらめな情報がとびかう地獄のような光景
インターネットって最低だな!
おしりです。
ということで今回はmisosio様制作のフリーゲーム「じごくのインターネッツ」をクリアしたのでその解説と感想をここに記そうと思います。
まず初めに本作の簡単な説明から。
じごくのインターネッツとは2021年6月26日に公開されたゲームでジャンルは「オカルトコメディノベル」。
とはいえ最初と最後に少しだけホラー要素があるだけでどちらかというとコメディに寄った内容となっています。
今現在もこちらで配信中、フリーゲームでスマホにも対応しています。
全4章構成のゲームで最終章では3つのエンドに分岐します。
クリアまでの時間は目安として1時間ですがぼくは40分で3つのエンドを回収できましたのでなんとなく興味がわいた方は先ほどのリンク先からプレイしちゃいましょう!(なぜなら普通に面白かったから!)
今回はネタバレを多く含む解説になりますのでこれより先はそのつもりで。
目次
1章 顔のない配達員
主人公”きくらげ”(たぶんニート)は冴えないコタツ記事ライターで昔からしょうもないオカルト、都市伝説的な作り話をブログにて公開していました。
そんなきくらげが外をほっつき歩いているとどこからともなく女の子の声が聞こえてきます。
失礼なことを言われているように感じたきくらげは少しイラつきながら声のするカーテンの向こう側へ、そこには
女の子を映す液晶パネルがありました
この女の子が本作の相棒ポジションの「奈落ちゃん」。
奈落ちゃんはきくらげの明日の運勢は最悪であることを告げその場を去ります。
(といっても液晶パネルがブラックアウトするだけですが。)
そうして次の日・・・・・
きくらげのスマホには配達アプリ「ウマーイーツ」と覚えのない配達状況が映し出されていました。
配達どころかアプリにすら覚えがないきくらげは少し困惑し、以前自分が投稿した「恐怖!死を運ぶウマーイーツ!」という顔のない配達員に襲われる作り話を思い出します。
そうしてあたふたしていると配達員が到着したようで自分がでっち上げた記事と同じ状況に立たされているきくらげは恐る恐る鍵穴から配達員を覗きます。
そこには顔のない配達員が立っていました
パニックになり慌てて外へ逃げ出すも複数人の配達員から追われるきくらげ、どうにか助けを呼ぼうとスマホで大学時代の後輩へ電話をかけると、、
奈落ちゃんが出ます
なぜ奈落ちゃんが応答したかは置いといてこの「顔のない配達員」に対してなぜか詳しい奈落ちゃんに対処法を聞きどうにか撃退します。
奈落ちゃん曰く顔のない配達員はきくらげ自身が生み出したものであり原因は過去にブログへ投稿した記事だそうです。
「言葉には力がある」とのことで過去の記事が呪いとなりこのような形できくらげを襲ったみたいです。
対処法は嘘ではなく正しい情報をネットで拡散することでこの後きくらげはウマーイーツのレビュー記事を書いて幕を閉じます。
2章 幸福を呼ぶ空中猫
ウマーイーツの件から数日、相変わらず家でダラダラしているきくらげに奈落ちゃんからビデオ電話が。
要件は「幸福を呼ぶ空中猫」の画像について。
実はこの猫の画像は本物の呪いの画像、きくらげがそうとは知らずに自身のブログで「幸福の画像」などとでたらめな記事を書いたせいで世の中に広まってしまいます。
ニュースやSNSでは小さな事件の被害者のスマホにこの猫の画像が保存されていることで騒がれています。
奈落ちゃんの調査報告によると大元の画像から解像度が低くなっているものや加工が加えれらているものほど呪いの力が弱くなっているようですが大元の呪いの画像は噂のせいで拡散されているようです。
以上のことから大元の画像をネットから消し去ればいずれ事態は収束するであろうという結論になりネットの海で大元の呪いの画像を探すミニゲームが始まります。
この章では画像の解像度やアスペクト比についての解説、一旦ネットに出回った情報は良くも悪くも人々の記憶や保存した端末に残り続け消えることは無いことが説明されます。
1章のホラー寄りの話からはガラリと変わって「インターネットの地獄」についての描写が多いです。
3章 全肯定かわハムくん
呪いの画像事件から数日、今回は後輩の電話から事件が始まります。
後輩から「良い体験をさせてもらってるんで先輩もどうですか?」と誘われ危機管理能力0のきくらげは後輩が参加する謎の集まりに参加することとなります。
そこでは「全肯定かわハムくん」というハム太郎の落書きのようなマスコットキャラクターを崇拝する謎の団体が集まっていました。
そこではかわハムくんは神様、かわハムくんのおかげで月収300万といったマルチの会員としか思えない集団を目の当たりにします。
さすがに嫌な予感がしたのかきくらげはその場から逃げ出し帰宅、奈落ちゃんに相談するとかわハムくんとは今最も勢いのあるキャラクターでネットを中心に大流行しているとのこと。
後輩を怪しいマルチ集団から助けてやりたいきくらげはどうしたものか悩んだところ奈落ちゃんはとある作戦を思いつきます、それは
新しいキャラを流行らせること
かわハムくんという神を倒すには新しい神を作るまで。
こうして奈落ちゃんときくらげはかわハムくんを越えるオリジナルキャラクターを生み出すことになります。
またしてもミニゲーム的な画面に切り替わりオリキャラ作りが始まります。
2章のミニゲームとは違い今回は文字を打ち込むだけでオリキャラの名称と口癖が変わるだけ。
せっかくだからふざけた名前にしたいのでぼくは名前を「ち〇ち〇くん」口癖を「ゾイ」に設定しました。
その結果、、、、
さすがにふざけすぎたと反省!
ぼくが生み出したち〇ち〇くんはデデデ大王のようにゾイ!とか言いながら宇宙空間まで増殖を続けます!
こんな感じのキャラが増殖し続けるってまあまあ地獄よ!
それからなんやかんやで光となり消滅しました。
3章はかなりふざけた内容ではありますがネットでの流行り廃りは目まぐるしく移り変わるということがテーマとなっています。
これに関しては普段アニメを観る人、SNSをやっている人なんかは割と共感できるのではないでしょうか?
4章 じごくのインターネッツ
では最終章のじごくのインターネッツ、タイトル回収ですね。
2章3章と同じく奈落ちゃんからの連絡で事件は始まります。
今回の事件は「願い事を思い浮かべて無事に向こう側へ渡り切ればそれが叶う」という噂の根戸神トンネルについての調査となります。
こちらも今までと同じくきくらげが書いたでっち上げ話でこの噂だけが独り歩きしている状態。
幸いこのトンネルに関する大きな被害は出ていまっせんが奈落ちゃんからは怪しげな情報が飛び交っているため早めに調査しておきたいとのこと。
(もう当たり前のようにコンビを組んでる主人公コンビ)
そうして噂のパワースポット根戸神トンネルへとやってきたきくらげとビデオ電話の奈落ちゃん。
噂の真相を探るためトンネルを渡りきるきくらげ、特に変わった出来事もなく無事にトンネルを渡り切ります。
その後きくらげにはブログの記事に対するコメントや仕事の電話といった幸運が舞い込んできます。
ですが何か違和感を覚えるきくらげ、ふとした瞬間にそれの正体に気づきます、それは・・・
奈落ちゃんがいないこと
きくらげは無事にトンネルを渡り切りました。
ということは本当に噂通り願いが叶ったということです。
きくらげは「ここには何もいいことなんてないからだからもう少しだけましな世界に行かせてください」そう願いながらトンネルを渡り切ったのです。
こうして実際にましな世界に行けましたがその「ましな世界」に奈落ちゃんはいませんでした。
きくらげは慌てて根戸神トンネルへ戻ります。
再びトンネルへ入り向こう側へたどり着こうしたその時、
3つの望む世界を選びます
この3つの選択肢でエンディングが分岐、まずはAエンド「いつもの世界」から見ていきましょう。
Aエンド いつもの世界
トンネルを抜けるとそこはいつもの世界、大学時代の後輩が居てきくらげは冴えないコタツ記事ライター。
いつものように街を歩いていると何日も前に見かけた紫色のカーテン、その向こう側には、、
奈落ちゃんがいました
こうして奈落ちゃんと再会しインターネットについて語り合いいつもの日常へと戻ります。
主人公が違う世界線へ行ってしまい、最後の選択でヒロインと再会するところはシュタインズゲートっぽいですね。
Bエンド うつくしい世界
「うつくしい世界」を選んだ場合はトンネルを抜ける直前で引き返すことになります。
この世界ではきくらげのライターとしての実力が評価され仕事も順調、待遇や上司にも恵まれ幸せな日々を過ごしていきます。
奈落ちゃんのことはきれいに忘れてしまいますがそれ以外に困ったことはない生活を手に入れBエンドは幕を閉じます。
奈落ちゃんがいないので描写的にはビターエンドに見えますがきくらげはAエンドよりも幸せそうです。
Cエンド 混沌の世界
恐らく皆さんが先ほどから気になっていたであろう3つ目の選択肢、文字化けしている吹き出しを選ぶとCエンドへ分岐します。
トンネルを抜けるときくらげは文字通りインターネットに住んでいました。
インターネットで起こる事象を観測できるようになったきくらげは概念的な存在となり数百年という時を過ごします。
なんだかとんでもない展開ですがこれもフリーゲームらしくてまた一興。
数百年という時を経てきくらげは昔の知り合いと再会しこの物語は終わります。
総評
解説は以上です!
総合的にみると面白いですね!
本作はコメディ要素が強いので普段ぼくがやってるホラーや長編ゲームとは違い日常系漫画のような雰囲気ですがインターネットをテーマにしているので「画面から目を離せない」とはいかないまでもかなり楽しめました。
公開日が2021年の6月なので今現在(2021年11月)から半年も経っていません。
そのためフードデリバリー、SNS、動画配信といったコロナショック以降の社会を描いているのも面白いですね。
そしてそれらを中心に起こる事件も起承転結がわかりやすく面白い。
きくらげが起こした事件から章が始まり最後はきくらげが痛い目に遭って終わるという流れですが話の短さと現実で役に立つ知識、割とリアルでありながらもぶっ飛んだ展開、漫画で言うとこち亀ですね。
やはりこのご時世にネットを活用しない人はごくわずか、知っていたつもりではありましたが流行り廃り、一度ネットに出回った情報は無かったことにはならないといった事も改めて地獄みたいだなと実感しました。
逆に言うとうまく活用すれば家までご飯を配達してくれる、有益な情報を得られる、お金を稼げる天国のような場所でもあります。
そういった天国と地獄の部分を勉強させてくれる良いゲームでしたね。
あと奈落ちゃんかわいい