人狼ノベルは面白い!
ということで前回に引き続き今回も人狼ノベルのレビュー記事となります。
今回クリアした人狼ノベルは
カテゴリーⅠ~死線上のサバイバー~
人狼ノベルはネタバレという地雷を踏むと面白みが0に等しくなるので今回はネタバレなしでレビューさせていただきます。
まずは基本的な情報から。
目次
基本的な情報
本作「カテゴリーⅠ~死線上のサバイバー~」は人狼ゲームを題材としたADVゲームで2022/5/26にSwitchにてダウンロード専用ソフトとして配信開始。
価格は税込980円で公式サイトにも記載されている通り今後はSteam、PS4、Android、iOSでも配信を予定しているそうです。
ぼくの場合はクリアまでに3時間、短編アドベンチャーの部類です。
内容としてはとある理由で集まった男女十人が自身の命のために人狼ゲームを題材としたコミュニケーションゲーム「インフェクテッド・ゲーム」で勝利を目指すというものです。
大まかなストーリー
主人公であるハセベミライはショッピングモールにて突如謎の事故に巻き込まれ瀕死となります。
目が覚めた時には綺麗な謎の空間、そこでは自律型AIレッテからここはVR空間であることを知らされます。
このVR空間は最新の技術により五感を現実と一致させておりミライを含めた十人の男女は瀕死でありながらもこのVR空間でのみ不自由なく動き思考することができます。
そこで瀕死の住人に知らされた事は「十人の中から治療を受けられるのは三人」ということ。
そして治療を受ける権利を得るには人狼ゲームを模したコミュニケーションゲーム「インフェクテッド・ゲーム」で上位3位以内に入らなければいけないという事。
そんなわけでインフェクテッド・ゲームで生き残るためにVR空間で議論をする。
これが本作の主な内容です。
作中で行われるインフェクテッド・ゲームは全部で3回、この3回のゲームで勝つことが目的です。
インフェクテッド・ゲームの途中では投票や選択肢が現れその状況に応じた正解の選択肢を選ぶことでゲームが有利に進行していきます。
ですが間違った選択肢を選んでも「ほんとうにそうかな?」みたいなセリフが出てきて再度選択をし直すことになったり主人公がクロ判定されることなく議論が進んだりするので実質一本道のノベルゲームです。
それとインフェクテッド・ゲームの合間に休憩時間が設けられそこではショッピングモールの事故が実は人為的に引き起こされたものではないかという疑惑が浮上します。
真実を突き止めるためにも一同はインフェクテッド・ゲームで勝利を目指すこととなるのです。
人狼ゲームとは似て非なるインフェクテッド・ゲーム
では本作の一番大事な部分でもあるインフェクテッド・ゲームがどんなゲームなのかをかなり噛み砕いて説明します。
とはいっても基本的な流れは人狼ゲームと同じで1日ごとに投票による処刑とクロによるシロの襲撃を繰り返すというものです。
用語は人狼ゲームよは異なり”人狼でいう村人が正常者”で”人狼でいう狼の役割が感染者”です。
画像を見てもらえればピンとくると思うのですがこんな感じに正常者陣営と感染者陣営に分かれて議論によって嘘つきを見つけ出し自身の陣営の勝利条件を目指すことになります。
役職も基本的には人狼ゲームと同じですが正常者陣営にとって重要な検査技師はゲーム開始時にランダムで感染者以外のシロを知ることができたりとちょいちょい人狼とはルールが異なります。
その辺りはわかりやすい説明が入るので読み進めていて疑問に思う事はありませんでした。
人狼のルールをよく知らない人はルールにきっちり目を通す必要がありますがある程度知っている人であればすんなり理解できます。
こうして始まるインフェクテッド・ゲーム。
プレイヤーは主人公ミライの視点で議論を読み進めることとなり仮説や参加者の発言から感染者陣営と正常者陣営を予想することになるのですがこの辺りは普通に面白いです。
特に面白いのが多重人格者という役職で
多重人格者は感染者の見方をする正常者扱いの役職。
議論を混乱させることが仕事である多重人格者の存在があってこそゲーム内での不確定要素が増え面白みを増しているようにも思えました。
クリアした感想
今回はネタバレに配慮しているので早速感想を書かせてもらいます。
正直に言ってしまうと・・・
普通
面白くないかと言われればそういうわけでもないのですがこれまで人狼ノベルを5作品ほどプレイしてきたぼくの中では下の方ですね。
もちろんインフェクテッド・ゲームで繰り広げられる議論は面白く作中で行われる3回戦のうち3回とも楽しめました。
ですがそれ以外の部分でぐぬぬ、、と感じる部分が多数あったので次は不満点を挙げていきましょう。
割と多い不満点
人狼ADVで3時間ほどのボリューム、基本的には文章を読み進めるだけの本作ですがその中でも不満に感じる部分は多かったです。
1 選択肢
不満点その1は選択肢です。
ADVなのだから選択肢が出現してそれを選びゲームを進行させるのはごくごく自然。
ですがクリアした段階で強く思うのは「ラストの分岐だけでよかったんじゃね?」
前述した通りゲーム中に現れる選択肢は間違えてもやり直しになるだけのパターンがほとんど。
しかも選択肢が出る時には「選択肢出現」という大袈裟なテロップが出てきます。
議論の内容が大きく変化するわけでもないので最初から選択肢なんてものは用意せずにテンポ良く読み進めさせてほしかったです。
2 人狼ゲームにしては平和
人狼ゲームを題材としたADVはレイジングループや鈍色のバタフライ、八つ目の大罪等があります。
これらは敗北=死というデスゲームで参加者全員が生き残るために命懸けの選択をするのが面白く、ぼくはあの緊張感が好きです。
ですが本作はVR空間で3回戦なのでデスゲーム系の作品にありがちなえげつない処刑は用意されてません。
一応上位3位以内に入れなければそのまま死ぬという事は確定しているのですが上記の人狼ADVと比較するとゲーム内の迫力や緊張感が欠けています。
ぼくは人狼ADV、というかADV全般に刺激を求める人なので物足りなく感じました。
3 トゥルーエンドにたどり着けないバグ?
これに関してはぼくが偶然そうなった可能性もあるのですが本作のこの仕様かバグかわからない所ははっきり言ってかなりイラつきました。
本作には大きく分けてノーマルエンド(2種)とトゥルーエンドがあります。
トゥルーエンドの条件はインフェクテッド・ゲームで3回とも勝利する事と選択肢で一定回数間違えない事の2つです。
ノーマルエンドの後に最初からセーブファイルを作成しセーブとロードを繰り返しトゥルーエンドの条件を満たしたのですがなぜかノーマルエンドにしかなりません。
色々調べた結果ぼくと同じような現象に陥っている人が多数おられるようです。
どうやらシステムデータは全てのセーブデータ共通で選択肢による加点減点が記録されている可能性が高いとのこと。
例えばですが。
セーブファイル1で10回間違った選択肢を選んだ場合セーブファイル1以外にも10回間違った分の減点が反映されている。
かもしれないということです。
まあ実際ぼくは確実に条件を満たしたにも関わらずトゥルーに分岐しなかったので可能性は高いです。
以上のことからこれだけは言いたい
やっぱり選択肢なんて要らなかったね
ぼくがクリアした日付は2022/6/20ですがこの段階ではアップデートによる修正等はありませんのでそのあたりはご注意を。
総評
最後に不満を書き殴ってしまったのでこのゲームに対する誹謗中傷記事のようになってしまいましたが決して面白くないというわけではないです。
人狼ゲームの定石や仮説を用いて敵と味方を判断し立ち回るのは必見ですし
普通の人狼には存在しないルールや役職が出てくるのも面白いポイントです。
ただし先ほどの不満点があるので数ある人狼ノベルの中から優先しておすすめするほどではないので総合的な点数で言うと60点です。
とはいえ今後Steam、PS4、Android、iOSでも配信されるので機会があれば全然プレイしても良い作品だとは思います。
では今回はこれで終わりですありがとうございました。