おしりです。
今回は2015年に日本一ソフトウェアよりPlayStation Vitaで発売されたホラーゲーム「夜廻」をクリアしたのでその評価感想を書いていきたいと思います。
この記事の作成時期なんですが発売から6年が経過した2021年の7月なんですよね。
なので発売から今現在に至るまでに続編の「深夜廻」、夜廻小説版などの発売、さらに対応機種や値段が大きく変わるといった変化があります。なのでそういった部分にも触れていきま~す。
それとぼくは続編の「深夜廻」をクリアした後にこちらの「夜廻」をクリアしていますのでそういう人の意見としてお考えください。
もちろんネタバレしていきますのでそのつもりでご覧ください。
目次
最高で最悪なチュートリアル
まずはあらすじについてネタバレ解説していきましょう。
主人公はこちらの可愛らしい少女。
作中では主人公、お姉ちゃん共に名前が明かされることはありませんが小説版にて主人公の名前は「ことも」ということが確定したので少女の名前は「ことも」ということで解説を進めていきますね。
物語はこともと飼い犬のポロが散歩をしている所から始まります。
散歩から家へ帰るところからチュートリアルが始まり操作方法を説明してくれます。
その途中でアイテム”石ころ”を使うことになるんですが石ころを投げた次の瞬間・・・・
ポロが轢かれます
やばすぎでしょ?
いくらホラーゲームといえどチュートリアルの段階では誰も死なないという先入観があるせいでこれを見た瞬間ぼくは「は、、?」ってなりました。
(まさに開いた口が塞がらないという状態)
こんな最悪な始まり方をするゲームはみたことがない、ですがそれと同時に「ホラーゲームとしては最高じゃねぇか!」と思いました。
幼女の前に広がる光景はポロだった何かとリードのみ。
こともは家に帰りお姉ちゃんと話すもポロが自分の不注意で逝ってしまったことを言い出せませんでした。
ポロが散歩中にはぐれ逃げたと勘違いしたお姉ちゃんはもうどこにもいないポロを一人で探しに行きます。
ですが夜になっても帰ってこないことを心配してこともはお姉ちゃんを探しに街を探索することになります。
ですがその町は恐ろしいお化けが蔓延る恐ろしい街でした。
こんな感じのあらすじです。
かわいい絵柄からは想像もつかないほどグロテスクで凄惨な内容です。
「夜の怖さをおぼえていますか?」というキャッチコピー通り夜の街の怖さを存分に楽しめるゲームとなっております。
とにかく襲われまくる本編
ということでこともはお姉ちゃんを見つけるために毎晩のように深夜徘徊を繰り返すことになるのですが
女性の霊に襲われたり
幽霊に拉致監禁されたり
果てはセーブポイントである自宅にまで侵入されたり
とまあこんな感じに容赦ない出来事の連続です。
あらすじは先ほど解説した通りかなりショッキングな内容ではありますがこともの目的はお姉ちゃんを見つけることで最終章まではこんな感じに夜の街で恐怖体験の連続です。
こともの家周辺は田舎で林や商店街、池がありそういう不気味な場所での心霊体験が主ですね。
セミが鳴いていることから夏の夜の街だと思います。ぼくが本作をプレイしたのがちょうど7月だったので季節に合ったゲームを始めるのも悪くないなと思いました。
(たぶんお前のその感想はどうでもいいよって思う人の方が多いね。)
そうして最終章にてお姉ちゃんを見つけることができたこともでしたが山の神様に捕まっていることが判明、ここでラスボス「山の神」とひと悶着。
どうにか山の神を撃退しお姉ちゃんを抱えて家へ帰ることもでしたが最後は山の神に・・・・
という内容ですね。
かなり要約しましたがエンディングまではゆっくりプレイしても5時間前後でクリアできる内容です。
とはいえ作中ではセリフが少なく演出も実際にプレイしなければ怖さが伝わらないものが多いのでこの記事でぼくにネタバレされてしまったあなたでも普通に楽しめます。(たぶん)
シンプルながら緊張感のあるゲーム性
お次はゲーム性についてですがこちらは至ってシンプルな探索型アドベンチャーゲームです。
もちろん深夜徘徊がメインなので懐中電灯で照らさなければ一寸先は闇、お化けに接触すると即死です。
(このゲーム幼女に厳しすぎぃ!!)
お化けを倒す方法は皆無で対抗手段はアイテムを使ってお化けの注意を引くことくらいです。
お化けに近づくにつれてこともの心臓の鼓動が速くなりダッシュで消費するスタミナも多くなります。
静寂な夜の街を演出するためか本作にはBGMが無いのでこの心臓音がかなり響きます。
触れたら即死という緊張感もあり「その辺の雑魚的」であるその他諸々有象無象のお化けに追いかけられるだけでぼくも心臓がバクバクになり怖かったです。
(しかも逃げた先にまた新しくお化けが出てきて幼女が血まみれにされるのよ!)
お化けの見た目は手や目、口といった人体の一部を模しているものが多く非常にグロテスク!
ゲームの基本的な部分はフリーゲームでもよくある2D探索ですがやっぱり日本一ソフトウェアが製作しているだけあってそれらとは一線を画すクオリティです。(何もかもがフリーホラーゲームの正当進化!)
6年経った今だからこその総評価
ぼくは発売から6年が経過した2021年に本作をクリアし、こうしてレビュー記事を書いています。
やはり6年が経過すると既に似たような記事がいくつもヒットするのでぼくはあえてこの夜廻というゲームを発売当初と今現在を比較して総評価します。
ボリュームと価格が不釣り合い?
本作は5時間前後でクリアできる内容で発売当初はPlayStation Vitaにて税込み6458円!
ゲームの内容は好評ですがこのゲーム性、このボリュームでフルプライスは高い!
他の方のレビューを拝見させていただきましたがやっぱりこういった意見はすごく多いです。
これに関してはぼくも
全くその通りだと思います!
さすがのぼくも「いやいや、面白いんだから高くても文句言うなよ!」とは言えないです。
それくらい価格設定は強気に思えました。
しかし、2021年7月は色々と動きがありPlayStation Vita以外にもPC、switch、スマホといったあらゆる機種に対応しました。
switchでは続編の深夜廻と本作がセットになった「夜廻と深夜廻 」が発売、深夜廻も夜廻と同じくらいのボリュームなのでボリューム不足が多少改善、とはいえこちらもフルプライスで内容は移植なのでやっぱり値段とボリュームが釣り合ってない!
スマホ版は¥1960にて配信中!
こちらはお安くプレイできますがスマホなので操作性のことをよーく考えたうえで購入しましょう。
PC、steamでは本作が1000円、続編の深夜廻が2000円で配信中。
とはいえセールでもっと安くなるのでsteamあるなら圧倒的にsteamで買うのがおすすめ。
(ぼくは半額以下で買いました。)
こうしてみると発売当初は値段とボリュームが不釣り合いでしたが6年でだいぶ釣り合いましたね。
(価格がボリュームに合わせるという形でね)
ぼくの場合はおよそ500円で買えたのでボリュームに対して不満はありません。
考察必至のストーリー?
次にストーリーについて。
本編では帰ってこなくなったお姉ちゃんを見つけるまでの出来事が描かれますが最終章でこともに起きた出来事、山の神とは何なのか?はたまた主人公とお姉ちゃんの名前等、はっきりとした答えが出ないままエンディングを迎えます。
いわゆる考察ゲーといえばそういうことで片づけられますがいかんせん考察できる”ヒント”が少なく考察ゲーとしても中途半端に思えます。
ですが2017年に発売された小説版夜廻にて過去の出来事や山の神のことなど、本編を補足する内容の書籍が発売されました。
これにより謎だった部分が明かされなんとな~く夜廻の世界観が見えてきます。
とはいえ作中では夜の街に大量のお化けが出現していることや主人公姉妹以外の人間が登場しない理由(両親が出てこない理由は明言されています)など謎な部分もあります。
ホラーゲームだから”そういうもの”と捉えるべきなのでしょうがこうして公式からある程度の答えが出されると他の謎も気になってくるのが人間の性というもの。
ぼくとしてはそのあたりもはっきりさせてほしいところですがあえて謎を残しておくのも嫌いではないです。
総合的にみると80点くらいの良作
これはぼくがクリアしたタイミングが今だからこ言えることなんですが総合的にみるとプレイヤーを怖がらせる演出がよくできたゲームでかなり面白い作品です。
最後に本作の魅力をまとめるとこんな感じですね。
・かわいい絵柄からは想像もつかない恐怖演出
・お化けへの対抗手段がなく見た目のグロさから夜の街の探索をより怖いものとさせている
・学校、トンネル、林、墓といった心霊スポットが一通り用意されている
・お化け、街での出来事などストーリーに関係の無いところにまで設定が作りこまれている
その反対に不満点はこちら。
・お化けに接触すると即死、つまりは死にゲーなのでセーブ地点からのやり直しをするたびに面白さと恐怖が薄れていく、初見だからこそ楽しめる要素が多い分、3、4回同じ地点からのやり直しをするとさすがのぼくも少し面倒に思えました。
・スタミナ管理が難しくお化けに追われると一瞬で0になります。
難関ではそれがわかっていても何度もやられました。難易度は高いです。
6章のこいつはぼくのトラウマ。
まあこんな感じですね。
2Dホラーが好きな方にはかなりおすすめできる作品です。
ホラーゲームといってもノベルゲームのような話の内容が怖いタイプではなくゲームとしてすごく怖い体験ができる内容なのでホラーゲームならではの恐怖体験を求める方は必ずやっておいた方がいい。
そんな作品です。
続編である深夜廻についての評価感想はこちら。