今回は「全人類の醜い部分を抽出して煮詰めることでできてしまった悪の化身」のようなおじさんによって繰り広げられるゲームの胸糞展開を紹介していきます。
鬱展開というよりかは一人の醜い人間によって起きてしまった気持ち悪い出来事をピックアップしています。
当然その章のほとんどの内容をネタバレすることになりますのであらかじめご了承ください。
ザンキゼロ 憤怒の農家
私の中でストーリーが面白すぎるクソゲーという評価に落ち着いたザンキゼロ。
本作は世界が終わりの日を迎え人類が残り8人となったところから始まりこの状況を仕組んだ黒幕から世界に起きた出来事や主要人物の過去をエクステンドTVというクソアニメを介して主人公チームに教えてくれます。
1章ごとに主人公メンバーのうち一人の過去がビデオによる回想で明かされるのですが2章「俺はモンキー」にて憤怒の農家となった久保田ゼンの過去が胸糞すぎるので紹介しましょう。
ゼンは幼い頃に父母兄と4人で祖父のいる田舎へ引っ越します。
ゼンは学校にいかず農業を手伝う日々に満足していましたがある日母の帰りが遅くなり職場まで迎えにいくのですが・・・
母と祖父に似た猿を見つけてしまいます
一応言っておきますが”猿”っていうのは本物の猿ではなく欲にまみれた醜い人間という意味です。
まさかの母と祖父が職場でやっちゃってることに唖然としてそのままみていると祖父から衝撃の台詞が放たれます
ゼンはオレたちの子オマエの息子ではなく弟なんだとな!
はい、ややこしいのでここで久保田ゼンの家族構成をはっきりさせておきましょう
ゼンは父母兄とこの家へ引っ越してきたわけですが普通に考えるとこういうことになります。
ですが職場でのゼン祖父が言った「オレたちの子」という発言、あれを考慮すると
こうなります
つまり6人で暮らしていた久保田家ですがゼンがこれまで祖父と思っていた人は父親で父親だと思っていた人は血のつながりのない男
兄に至っては他人のような関係となります。
いつもはどんな胸糞ビデオでもしょうもない漫才を繰り広げるエクステンドTVですがこればっかりは気まずすぎて絶句しています。
どうしたものかと考えた結果ミライは自分の命と引き換えにこの空気をどうにかしようと提案してました。
先ほどの画像にて「お前の息子ではなく弟なんだとな!」という台詞がありますがこれは後で補足します。
この血縁関係が発覚したことによりゼンはこれまで家族と思っていた父や兄が他人であること
母が猿の言いなりになっていたこと、なにより自分が猿の子供であることを気持ち悪く感じ久保田家は猿が家族ごっこを演じているようにしか見えなくなっていました。
こうしてゼンは絵に描いたような半グレに育ってしまいます。
それからしばらくして兄(と思っていた他人)がルミコという嫁を見つけてきてゼンの母親と同じく久保田家に嫁入りすることになります。
ゼンにとっては他人ですが優してくれるルミコにだけは行き場のない怒りを少しだけ吐き出すことができルミコはそれを受け入れてくれました。
そんなルミコの影響もあり更生して大学に通うことになるのですが初めて猿を見た日のように祖父とルミコだけが家にいない日がありました。
それは7年前初めて母と祖父に似た猿を見てしまったあの日と同じです。
ゼンは急いでルミコの元へ駆けつけますが
そこにはルミコと祖父によく似た猿がいました
7年前から怒りを溜めていたゼンはここで祖父を殺そうとしますがなぜかルミコは祖父を庇います。
実はルミコとゼンの母親は久保田家に嫁入りする前に借金を抱えていて祖父はその借金を肩代わりすることを条件に久保田家へ招き入れていたのでした。
既に配偶者がいる祖父が合法的に久保田家へ招き入れるためにゼンの父と兄には婚約者という立場を与えてあらかじめ二人が出会うように仕組んでいたのです。
こうして挑発し続ける祖父にゼンの怒りは頂点に達し祖父を襲います。
が、ルミコは祖父を庇い腕を怪我します。
この一件はゼンが一方的にルミコを襲ったことにされてしまい居場所がなくなったゼンは久保田家という猿山から追放されてしまいました。
通っていた大学も中退して助けたかった女性を自分の手で傷つけてしまい最後はルミコのおぞましい笑顔に別れを告げて憤怒の農業として一生を終えます。
実際にプレイするとダンジョン攻略の途中で7パートに分けて見せられるのですがこのビデオのみだと案外短いんですよね。
気分の良し悪しは置いといてこの尺でちょっとした伏線を盛り込みつつここまで胸糞悪いエピソードを作れる脚本家には脱帽です本当ににすごいと思う。
死役所でも似たような話があるので胸糞エピソードが好きな人にはこちらもおすすめ。
じゃあ最後に「オマエの息子ではなく弟」について少し考察しましょう。
実はこれ調べてもよくわからなかったので自分なりの考察になるんですよね。
だから間違ってたらすいませんめっちゃ詳しい人は優しく教えてください。
結論から言うとこのビデオの内容的にゼンの親は祖父、母親は母親であるとみて間違いないと思います。
実際作中でもゼンは母親のことはずっと本当の母親とみています。
こうなるとゼンの母親とゼンの関係は親子で間違いないです。
それに加えて祖父のおれたちの子という一文からも先ほどの図で間違いないと思います。
ですが親子であると同時に弟にもなる家系図があるとしたら?
つまりこういう血縁関係なのだとしたら?
これならゼンの母とゼンは父親が同じなので兄弟にもなり得ますよね?
その代わり猿は自分の娘とやっちゃってることにはなりますがゼンはここまで察してあれほどまでに気持ち悪がったのかもしれません。
もしこれが当たっていれば久保田家は胸糞展開でしかも血縁関係まで狂いきっている欲にまみれた猿と呼ぶにふさわしい一家だったということです。
ペルソナ5 鴨志田
主人公ジョーカーが転校した学校「秀尽学園」の体育教師でバレー部の顧問を務める元金メダリスト鴨志田
こいつはあまりにもクズすぎるカス人間なので知っている人も多いでしょう。
この章は長いので一部省略していますご了承ください。
このゴミ教師は学校内での評判は良く生徒だけでなく学校側の人間からも高い評価を得ている男です。
が、それは偽りの鴨志田であり本当の鴨志田は自身の立場を利用しバレー部員への体罰
実績を上げるのは自分だけで良いという考えにより陸上部を廃部に追い込みエースである竜司の足を潰す
バレー部員である志帆へのセクハラ
志帆を人質にし志帆の親友である女子生徒、杏にもセクハラをする
前歴持ちの生徒として転向してきた主人公の悪い噂を広める
などなど暴力振るうわ生徒襲うわ他人を蹴落とすわでもう説明不要のクズ野郎です
しかしこの鴨志田という男はかなり狡猾で
周りの人間を味方につけることで竜司の足粉砕事件を正当防衛で片づけ
バレー部私物化に関しては「鴨志田先生は結果を残してるから大丈夫」
と校長先生とその他諸々汚ねぇ大人共に信じ込ませ悪行を繰り返してきました。
主人公竜司杏は鴨志田に対する叛逆の心からペルソナ使いへと覚醒して
鴨志田の認知の世界つまりは鴨志田にとって自分にとって周りがどう見えているかが具現化した世界カモシダパレスで鴨志田を倒すべく戦うことになります。
そこではバレー部員が奴隷のように扱われていたり
杏が自分のことを好きな女になっていたりと
自分にとって秀尽学園は城であり俺はこの城の王
という認知をしていることが発覚します。
車に乗せた時にこんな顔されてるけどそれでも自分はモテると思い込んでるポジティブすぎる人間ですね。
ここまでがようやく鴨志田編前半で既にプレイヤーと主人公御一行のイメージがクズから純度100%正真正銘のクズに変わったところで
志帆が限界を迎え飛び降りてしまいます。
さすがの鴨志田先生も自分の悪行が原因で生徒が飛び降りたら顔面真っ青になると思われましたがそこはやはり純度100パーセントのクズ
こうなった原因なのに逆ギレしてきます。
カモシダパレスでは「お前が相手してくれないから代わりにしてもらったんだよ」と発言しているので志帆が飛び降りる前日はしていたのでしょう。
これを機に鴨志田という邪悪な男を野放しにしていけないと判断した主人公チームは鴨志田パレスにてなんやかんやすることで鴨志田を改心させることを決心しそれは成功します。
最終的に鴨志田は全校生徒の前で自身が犯した罪を告白し自首
こうして鴨志田の胸糞イベントは幕を閉じます。
ですが志帆は一命を取り留めたものの心も体もボロボロでもうこの学校で楽しい学生生活は送れないので回復したら転校することが決定します。
竜司は陸上部と足を潰されたまま
できることを全てやったにも関わらず手放しに喜べる終わり方ではありませんでした。
めっちゃ簡潔に説明しましたがこの鴨志田撃破までの流れは
体罰セクハラ脅しがリアルに描かれ鴨志田の被害者が追い込まれる過程がねっとり描写されるので実際にプレイすると恐ろしく胸糞悪いです。
鴨志田に追い詰められていることを泣きながら話す杏をみて「鴨志田は絶対にワイがこの手でぶちのめす!」と決心したプレイヤーは多いでしょう。
良く言えば悪役の鑑です。
この後の展開も鴨志田の一件と同じようにペルソナの力を駆使して悪い大人を改心させていくのですが次の章ボスも次の次の章ボスも「まあ悪人だけど鴨志田ほど邪悪ではないかなぁ・・」
「こいつは改心させなくても逮捕するだけで良かったんじゃね?」
といった印象
あまりにも邪悪すぎる最初のボスが故に次の悪役のハードルが上がりすぎて誰もそれを超えられませんでした。
一応ラスボスあたりも悪人という意味では鴨志田を超えていましたがそれでも胸糞度合いは鴨志田ほどではありませんでしたね
そんなゴミ教師鴨志田ですが実はペルソナ使いを育成する能力は超一流だったことが噂されています。
前述したようにあまりのクズっぷりから最初の章で主人公竜司杏の3人を一般人からペルソナ使いへと覚醒させています。
それに加えてバラバラだった3人が鴨志田という共通の敵を倒すために心の怪盗団を結成し最終的には世に蔓延る悪人を数人改心させるのだから今思い返すとペルソナ5でめっちゃ重要な役割を完璧にこなしていたとも言っても過言ではありません。
鴨志田がヤバすぎて胸糞展開というよりかは鴨志田の悪行紹介みたいになりましたがペルソナ5は面白いのでやりましょう。
リンダキューブ サチコでどうだ?
トラウマゲーム、狂ったゲームとして有名な本作、ジャンル的にはRPGですがシナリオやゲームの目的は王道RPGとは大きく異なる作りとなっています。
リンダキューブにはシナリオA、B、Cの3つのシナリオがありパラレル的な扱いとなっています。
シナリオAもまあまあ胸糞ですが今回紹介するのはシナリオB「ハッピーチャイルド」テーマは『愛憎』です。
主人公のケン(左)とメインヒロインのリンダ(右)
まずこのゲームの目的ですがリンダキューブの舞台である惑星「ネオケニア」は8年後に隕石が衝突することが確実視されます。
そこで現れたのが「神が天より遣わせた箱船」
と、神からのメッセージが記された石板
その石板には「箱船の乗員求む!動物集めに自信のあるものに限る!」と記されていました。
要約すると”この箱船に雄雌1つがいの動物を可能な限り乗せて旅立つ、それが生物の未来を救う方法”ということです。
なので全人類が8年後の隕石衝突に備えて惑星脱出の準備を進める中「人類の雌雄1つがい」としてケンとリンダは箱船に乗ることになります。
そこで箱舟発進までの数年間で可能な限り多くの動物を集めることが全シナリオ共通の目的です。
その途中で主人公カップルが巻き込まれる事件が各シナリオごとに異なるという感じですね。
シナリオBではまずはじめに
リンダが四肢をもがれます
序盤で謎の生き物に襲撃されリンダの父ヒュームが対抗するも喋る謎の生物により身体を貫かれそのまま蹂躙されます
この時リンダは両腕両足を失い芋虫状態になってしまうんですよね。
ですがリンダの治療を担当したエモリ博士によってもがれた四肢はつながり五体満足で生還します。
この段階でのエモリ博士 有能すぎて一生ついて行こうと思いました。
ですが左腕だけは何故か見つからずリンダには父親ヒュームの腕を移植します。
生物存続ミッションどころじゃなくなっていたケンですがリンダが一命をとりとめたことに一安心(?)してエモリ博士に紹介された娘のサチコとシナリオBの大半を過ごしいい感じの雰囲気になります。
ここまで聞くとリンダがあまりにも悲劇のヒロインで実際その通りなんですがヒュームの左腕を移植して復活したときにはピンチに現れる主人公のような登場の仕方でしかもどっちが悪役かわからないような顔つきでモブどもをビビらせます。
なので世界を救えない&メインヒロイン四肢切断&一家ジェノサイドといったとんでもねえ展開ですがあまり鬱ゲーという印象は残らないんですよね。
ですがここから先は最高に胸糞な展開です。
まずは有名なムービーから見ていきましょう
実は折り入って君に相談があるんだ
他でもない、箱船のクルーつまり、君の花嫁のことだがね、リンダはあんな状態だろ?そこで相談だはっきり言おう
サチコでどうだ‼︎
で、この後が問題発言
納得いかないかね?ま、これを見てくれ。
どうだいこの「腕橈骨筋」から「上腕二頭筋」に続くエレガントなカーブ。そうリンダの左腕だ! ちゃぁんとサチコに付けておいたよ!
それじゃあ順番に事件の裏側を説明しますね。
まずはエモリ博士ついて
簡単にいうとエモリ博士は
娘への愛が強すぎるクローン技術者です
(この辺で察しの良い人は気づくかもしれませんね。)
娘のサチコは冒頭で説明したミッションの人類代表に志願するも選考に落ちてしまい自ら命を絶ってしまいます。
これだけならケンとリンダに関わることはなかったのですがエモリ博士は愛する娘サチコの望みをどうしても叶えたいがためにサチコのクローンを何体も生み出します。
リンダ一家を襲ったのはサチコクローンの一体でエモリ博士の指示でした。(↑サチコ)
でもってリンダの四肢を切断し左腕を強奪
奪った左腕は先ほどのムービーに登場した生気を感じられないサチコに移植していたのです
エモリ博士の計画では箱舟の鍵となるリンダの左腕をサチコに移植しケンに恋愛感情を抱かせリンダの代わりとして人類代表となり惑星から旅立ち
ハッピーエンドという予定だったようです
ですがその計画は「サチコでどうだ!」のやりとりでエモリ博士にドン引きしたケンとサチコの裏切りによって失敗に終わります。
最後は箱舟にてブラッドボーンに出てきそうな姿に進化してラスボス化そして・・
「逆恨みのどこが悪い!
俺に教えてみろ!」
という名言を残しながらもぶっとばされました。
これがリンダキューブのシナリオBのざっくりとした内容で一見エモリ博士というつきぬけるマッドサイエンティストにメインヒロインがボロボロにされることが注目されがちですが
エモリ博士にとっては娘のために全てを犠牲にした結果、娘(クローン)に裏切られ身を滅ぼしてしまう
生みの親であるエモリ博士を救えずリンダの四肢を切断してしまったサチコクローンをみてると救いようのない親子に思えてかなり胸糞悪いです。
特に絶望した過去を持ち親子揃って人型ですらなくなり破滅してしまう哀しきモンスターであることが絵的にきついですね。
基本的に主人公ケン目線で話が進むのでエモリこいつやべえな・・というイメージが定着していますがエモリ博士にとってはただ娘の望みを叶えてやりたかっただけなのでマジモンのクズである鴨志田と比べるとほんの少し共感できるかもしれません。
エヴァンゲリオンや十三騎兵防衛圏、ニーアのような今も昔もよくある「一人のために全てを滅ぼす系のおじさん」だったわけですね。
リンダキューブは純愛の物語ですがシナリオA、Bのボスは愛が強すぎるが故に身を滅ぼしてしまうところも本作の狂気じみた魅力だと思います。
主人公コンビの声優さんがまだ現役なのでそろそろリメイクして欲しいと思ってる神ゲーなんですが改めてみてみると無理そう・・
総評
それではゲームの胸糞展開の紹介を終わります。
こうしてみるとどれもゲーム史に残る伝説の胸糞展開ですね。
とはいえザンキゼロはシナリオは神
ペルソナ5とリンダキューブはRGPとしてすごく面白いので是非とも興味を持っていただきたい。
結局のところ私が言いたいのはそれだけです。