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可愛いイラストで描かれる鬱ホラーゲーム「ママにあいたい」のネタバレ感想です‼




おしりです。

最近はフリーゲーム、鬱、ホラーゲームをメインにクリアしているので今回はフリーゲーム「ママにあいたい」の感想と紹介になります。

ネタバレが非常に多いのでそのつもりでご覧くださればと思います。

本作はふりーむにて無料で配信されているPC用ADVゲームです。

エンディングまでのプレイ時間は2時間前後で(謎解きの)難易度は高め。

本作は腕の無い子供がママと会うために謎の世界を探索することになります。

序盤は全てが謎だらけですが世界観や設定についてはストレートな表現が多いので”そういうもの”と思えばすんなり受け入れられます。

本作の特徴はホラーチックなゲーム画面とイラストですね。

セーブポイントは眼球でそれ以外にも至る所に血や人体の一部が出てくるのでグロ耐性の無い方にはきつい作品です。

子宮が舞台の受精卵の物語

このゲームに人体の一部が多く出てくる理由、それは舞台が子宮だからです。

そんでもって登場人物は受精卵。

これぞフリーゲーム特有の尖った設定ですね。

本作は主人公が生まれるまでの間に子宮内で起こった出来事を描いた壮絶な物語です。

こちらが本作の主人公の男の子、かなり中性的な見た目ですね。

主人公ですが見ての通り腕が無い欠損主人公、後に脳が無いことも判明します。

このままだと五体満足で生まれることはできませんので子宮内に散らばっている身体の一部を集めることになります。

その過程で主人公兄弟の他にも1~4番目のお兄ちゃん、お姉ちゃんがいることが発覚します。

この4人の兄弟は魂だけの存在でこの世に存在しません。

つまり何らかの形で命を落とした子供、水子のような存在です。

主人公はその兄姉の協力のおかげで五体満足でママに会えますがその過程で見せられる悲惨な出来事が本作の特徴です。。

前述した通り兄姉は魂だけの存在で死人、その死因は子宮内の唇が勝手にしゃべってくれます。

 

1番目の子はママが学生の時に生まれた未熟児で相手は付き合っていた彼氏の兄。

育てる方法の無いママは生まれた子供に対して何度も鉄パイプで殴るという虐待、というか殺人を犯しています。

こんな感じにどうしようもない程の暗いエピソードですが2番目の子、3番目の子も同じように悲しいエピソードが用意されています。

ラストは主人公が産道を通りエンディングを迎えます。

こうして望まれた子供である主人公はママに会うことができてハッピーエンド。

 

のように思えたのですが・・・・

とある条件を満たしてエンディングを迎えると

タイトル画面がバグったような画面になります。

この後は生まれた後の場面を描く隠しエンディングなのですが・・・

主人公がママを殺すという最悪な結末を迎えてしまいます。

このエンディングにて主人公が母を殺した理由について様々な考察がありますがはっきりとした答えは出ておりません。

ただし、このような結末を迎えてしまった原因はママとその周囲の人間であることだけは確かです。

 

子は生まれてくる親を選べないし親も産む子供を選べないということですね。

詳細は省きましたがママが授かった合計6人の子供は幸せになれなかったというどうしようもなく鬱なストーリーです。

捕まると即死のゲーム性

ゲーム性についてですが基本的にはダンジョン(子宮)探索がメインのお使いゲーです。

しかしゲームオーバーの概念はあります。

常に笑顔のカンシ

あの有名人もこう先生とは無関係です。

この「カンシ」という得体のしれない化け物に捕まると1発ゲームオーバーです。

対抗する手段は無く出会ってしまえば逃げるしかありません。

いきなり現れるから初めてこいつに出会ったプレイヤーのほとんどがゲームオーバーになっていることでしょう。

ぼくは始まってすぐの選択肢を間違えてしまいこいつにやられました。

(意味わからな過ぎて不気味だった・・・)

終盤では複数体同時に出現するのでカンシが出てくるシーンはかなりホラーです。

捕まると首をもがれゲームオーバー。

命が軽い・・・

ゲーム性についてはカンシのおかげで適度な緊張感があり、お使いゲーにしては楽しめました。

 

考察と総評

全てのエンディングを回収した感想としてはかなりの鬱ホラーゲームですね。

 

メインストーリーもそうですが主人公たちにとっての加害者であるママは過去に悲惨な人生を送ってきたことが明かされます。

そんな悲しい過去を乗り越えて主人公と出会えたのに隠しエンディングで幸せをつかむことはできませんでした。

ラストの展開がハッピーエンドになりそうな雰囲気だっただけに憂鬱な気分になります。

ですが生まれてくる子供目線でなおかつ舞台が子宮というゲームは恐らく本作ぐらいしか無いのでそういう部分は面白い発想だと思いましたね。

目玉やカンシのイラストはホラー要素が強めでゾッとします。

製作者である野乃ノ 之さんのイラストが多く使用されている所も魅力ですね。

 

考察についてですが少し考えればわかるような点もあれば深く考えないと理解できないような点もあります。

わかりやすい点だとカンシについてですがこのカンシは主人公を見つけると捕まえて殺す化け物です。

作中ではこの印象が強すぎて主人公を監視している=カンシと解釈してしまいますが全体を見ると腕の部分がわっかのようになっています。

なのでカンシのモチーフは手術用の器具である鉗子(かんし)と考えられます。

 

カンシは頭を引きちぎるような殺し方をしてくるのでカンシは監視と鉗子の両方の意味を含んでいると考えられます。

 

逆にわかりにくい点は隠しエンディング関連ですね。

 

条件を満たすために陰毛が必要だったのはなぜ?

成長した主人公を前になぜママは初めて息子と会ったかのような発言をしたのか?

4番目の子供の父親の詳細は?

 

他の方の意見感想を拝見させていただきましたが作中でのヒントが少なくて正直わからん・・

まあ製作者さんの趣味嗜好で特に意味のない要素(この見た目が中性的な所とか)も多少はあると思うのでハッキリしない部分はプレイヤーに解釈をゆだねているという認識で良いと思います。

でもそんなこと言っちゃうと考察の余地がなくなるからしばらく自分なりに考えてみます。

 

では最後に本作のまとめです!

生まれる前の子供が主人公で舞台が子宮という類を見ない世界観と設定。

話の内容は鬱要素が多く考察の余地が多い。

血を連想させる赤が多く使われていてカンシに捕まると1発ゲームオーバーというホラーな雰囲気も兼ね備えている。

こんな感じですね。

ヘルテイカーをクリアしたばかりだから考察の余地がある作品をクリアするとこのセリフを思い出してしまいます。

漫画にせよゲームにせよ映画にせよ物語はどこで幕を閉じるかが重要ということですね。

 

 

 

 

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