切なすぎるラストを描く名作「ナルキッソスゼロ/姫子エピローグ」のネタバレレビューです!

 

おしりです。

前回に引き続き今回もナルキッソスについての評価感想、紹介のレビュー記事となります。

1&2の内容は前回記載したので今回は2の後日談「姫子エピローグ」とナルキッソスシリ-ズの舞台である7階が設立されるまでのお話を描いた「ナルキッソスゼロ」について触れていきます。

「ナルキッソスって何!?」って人は前回の記事を拝見していただいて本ページに戻ってきてくれれば非常に嬉ぴーです。

では前回と同じく多くののネタバレを含む本題へと入りましょう。

 

姫子エピローグ

本作「姫子エピローグ」は2でセツミとの最後のドライブを終えて姫子が永眠するまでの姫子とその親友である優花のやり取りを描いた物語です。

ナルキッソス2で毎日お見舞いに来ていた優花に対して「7階の住人になったらお見舞いには来なくていい」と告げた姫子ですが2の本編、セツミとの夏の出来事が理由で以前と同じようにお見舞いに来てほしいと言います。

この時に姫子は皆勤賞の商品として愛車「ユーノス」を優花に譲ることを約束します。

この日以降優花はお見舞い皆勤賞を狙って毎日姫子の病室へ通うようになります。

姫子の親友の優花

1&2と比べて絵柄が今風で綺麗になっていてビックリしました。

登場人物はほとんど女の子なのでこれはうれしい誤算です。

余命わずかな姫子のために毎日会社を定時退社して病院へ通う優花ですがこの定時退社が原因で優花は会社での立場が徐々に悪くなっていきます。

ですが親友の姫子と会える回数は残りわずかなので申し訳ないとは思いつつもお見舞いを続けます。

お見舞いは病院の中庭に植えている水仙に水ををあげてのほほんとすることもあれば思い残すこと、心配なことがないか等、重い会話をすることもあります。

女の子らしい服装で姫子が乗る車椅子を押す優花、2では出番が少なくちゃんとした立ち絵も用意されていなかっただけに印象的。

お見舞いの際に優花は年甲斐もなくフリフリの服に着替えて病院に向かうのですが同僚や上司が忙しくしている中そんな恰好でしかも毎日定時退社するもんですからあからさまに迷惑がられます。

そんなある日に優花の社内での立場が悪くなっていることに気づいた姫子は優花と一緒に優花の勤める会社に乗り込みます。

姫子はいつまで経っても弱々しい性格の優花が今後どうなるかが心残りだったようで優花の部署で騒がしい挨拶と共に喝を入れました。

この出来事がきっかけで弱々しい性格だった優花はスポーツカーの似合う強い女へと成長するのです。

 

姫子エピローグの内容はこんな感じで姫子と優花の友情の物語ですね。

大半は優花目線で話が進むのでこの世を去る人間ではなくこの世に残される者の目線で話が進むので1.2とは少し違った雰囲気です。

姫子エピローグというだけあって短い内容ですが絵が綺麗で姫子とその周りの人も死を受け入れて明るく振る舞っているので他の作品と比べて万人受けする内容だと思います。

 

ナルキッソス ゼロ

最後はナルキッソスゼロ。

ゼロはナルキッソスの舞台である7階ができた経緯を描いたもので時系列で言うと1.2よりもずっと前のお話、(1960年~1970年ぐらいの時代)つまり過去編です。

今回の主人公は実家が老人ホームでろくに学校へ行かず留年寸前の中学生、蒔絵博史(まきえ ひろし)画像右の少年。

実家の老人ホームが家族経営で手一杯なため学校へは行かず手伝いをすることが多いです。

とはいえ本人は嫌々手伝っているというわけでもなく幼いころから携わってきたこの仕事にはやりがいを感じている模様。

もう一人の主人公は博史の同級生、日下陽子(くさか ようこ)。

陽子は病弱で学校を休みがちななので博史と同じく留年寸前の状態、たまたま登校した博史はプールサイドで初めて陽子と話します。

完全にエヴァンゲリオンの序盤の綾波レイ!!

ナルキッソスゼロはこの二人を中心に物語が進行していきます。

新学期となり留年寸前だった博史は予想通り留年してしまいクラスメイトが1コ下というちょっと気まずい感じの学校生活を送っていました。

ですが学校終わりに陽子に話しかけられ一緒に下校します。

聞けば陽子も博史と同じく学校に行ってなかったせいで留年したそうで同じ留年した生徒同士二人は仲良くなっていきます。

義務教育である中学で留年することとかあるん?という疑問はプレイヤー全員が抱くでしょうが今はそっとしておいてあげましょう。

陽子は博史の家が老人ホームであることに興味を持ち可能な範囲で老人ホームの手伝いをするようになります。

その中で老人ホームの住人とも仲良くなり蒔絵一家が気付かなかったことにもよく気づく陽子は老人ホームにとっても博史にとっても無くてはならない存在へと変わっていきます。

そんな陽子の夢は医者になることで将来は医者になって博史と一緒に老人ホームで暮らしていきたいと考えている純真無垢な一面を見せられます。

(他作品と違い恋愛要素は多め。)

そんな日常を過ごして二人は高校三年生へ。

陽子は医者になるため大学へ進学するため勉強を続けていましたがここで体調が悪化して学校を休むことが多くなります。

そんなある日陽子は博史へ「お医者さまになってよ」と言います。

以前から老人ホームに医者の必要性を感じていた博史はこの日から医者を目指すことになり大学へ進学します。

 

大学へ進学すれば6年間は帰ってこれなくなりその間はみんなと離れ離れ、それでも医者になることを決意した博史は東京へ旅立ちます。

この電車での別れのシーンに古臭さを感じながらも少し切ない気持ちになりました。

 

東京での暮らしにも慣れてきた頃に博史の元に陽子からノートが届きます。

そのノートには陽子の文字でこう書かれていました。

探さないで

これを見た博史は次の日から血眼で陽子を探しますがどこへ行っても陽子は見つかりません。

探しても探しても結局陽子は見つけられず博史は元の生活へ戻ります。

 

そして月日は流れ失踪した陽子のことを忘れられないまま博史は医者になりました。

そんなある日博史は同僚から陽子と思わしき患者がいることを聞きその人物の元へ駆けつけます。

そこで博史は

陽子と再会します

とはいえ「探さないで」の一文からもわかる通り陽子は病気が原因で医者になることも普通の生活を送ることもあきらめていました。

博史に迷惑をかけたくないという想いから陽子は博史を避けていたのです。

 

ですがそれでも根気よく接し続ける博史に対して陽子は屋上へ呼び出し問いかけます。

お医者さま?それとも神さま?

この問いに対して博史はこう答えます。

どちらでもないけどそれ以上の者だよ

博史かっこよすぎん?

こうして2人は昔のように打ち解け仲良くなります。

数年ぶりに海に行ったり交換日記をして幸せな日々を過ごしていました。

 

しかしそんな日々が続くわけもなく陽子の身体は悪くなる一方。

陽子は死ぬ前に自分が生きた証を残したいと考えており博史と一緒にその方法を探します。

そこで博史は実験段階ではあるものの日本にもホスピスが新しく設立されるという話を聞きます。

日本国内でのホスピスの設立はまだ手探りの状態ですが博史は老人ホームでの経験を、陽子は病院を居心地の良い場所にする終末期患者として病院で過ごします。

こうして2人はナルキッソスの舞台となった総合病院の設立に大きく携わり陽子は夏が終わる頃にこの世を去ります。

 

さすがにシリーズ4作目ともなれば最後に病死するってことは予想できましたがゼロは他と比べてボリュームがあるから悲しいね。

そしてゼロのテーマの1つはこの世を去る者は生きていた証を残すということ。

陽子は去る前に7階を残しシリーズでこの世を去った他の人物、1の主人公、セツミ、姫子が何を誰に残したかもゼロで明かされます。

過去編なので舐めていましたがこれをやらずしてナルキッソスを語ることはできないと思わされるほど重要な内容でした。

ナルキッソスシリーズの総評

前回から続いたナルキッソスシリーズのネタバレレビューはこれにて終了です。

全シリーズで余命わずかな男女が主要人物となり”もうすぐ死ぬ人間”のリアルな心情描写や行動が描かれます。

本作は最初から最後まで常に死が付きまとうのでナルキッソスを読み進めている最中に1の主人公や姫子のように「自分の寿命がもし1か月になったら何をしよう?」と考えさせられます。

平和な日常を送っている人こそ本作をプレイしてみると生きるとは?死ぬとは?みたいな答えのないテーマで楽しめるかもしれません。

BGMや演出で美しい物語のように描かれますが現実に起きているであろう出来事なので深く感情移入できます。

 

今回はネタバレしながらの記事になりましたがかなり要約しているのである程度内容を知ったうえでも楽しめます。

1はあっさりとした内容ですがそれ以降のシリーズでは過去作を補完する描写が多いのでそういったところも素晴らしいです。

特に1のラストのセツミが海へ入るシーンがあるんですがこの時セツミの立ち絵は出てきません。

なので笑顔なのか悲しい顔なのかどんな表情をして主人公と別れたか(たぶん)意図的に表現していなかったので2以降の作品でこの部分が明らかになったのは最高です。

 

1をクリアした段階ではそれほど素晴らしい作品には思えませんでしたがぼくが今回プレイした4作品全体でみるとかなりクオリティの高いノベルゲームだと思います。

 

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