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狂人だらけの全員悪人な人狼ノベル【人狼ゲーム-八つ目の大罪-】のレビューです




おしりです。

人狼ゲームを題材としたゲームは大体面白い。

これは断言できる!

ということで今回はスマホゲーム「人狼ゲーム-八つ目の大罪-」をクリアしたのでそのレビュー記事となります。

それでは本題へ!

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まずは本作の概要から。

「人狼ゲーム-八つ目の大罪-」とは寂尾蘭太(ジャクオランタ)という小説家になろうで活動されている人の作品でそれをアプリとしてノベル化したものがこの「人狼ゲーム-八つ目の大罪-」なのです。

人狼ゲーム-八つ目の大罪-が正式名称っぽいですが長ったらしいので以下八つ目の大罪にしますね。

このゲームの主な内容は無作為に集められたと思われる老若男女九人が敗北=死の人狼ゲームを強要させられるというものでストーリー分岐などはなく一本道のノベルゲームです。

ぼくは最後まで読み進めて4時間、それほど長くはないです。

まあ簡単に言ってしまうと大部分は人狼を題材としたテンプレのデスゲームです。

アプリとしてAndroid、iOS共に配信されていて本編の価格は無料、途中広告が入ることもなく最後まで普通のゲームとして読み進めることができます。

 

サイドストーリーは有料ですが本編のみで綺麗に終わっているので読破必須という内容でもないです。

 

本作の特徴

テンプレの人狼✖️デスゲームと言ってしまうと特に特徴のないゲームのように聞こえてしまいますが本作には他の人狼を題材としたゲームでは見られない特徴がいくつかあります。

当たり前ですがこういうゲームはネタバレすると面白味が完全に消えてしまうのでネタバレに配慮しながら特徴を掘り下げていきます。

1 全員悪人?

作中で開催される人狼ゲームの参加者は共通点のない老若男女に見えますがこの九人は過去、もしくはゲーム開催の直前まで大きな罪を犯していた人間の集まりであることがゲーム開始時に明らかになります。

母親殺しの殺人犯や援交斡旋、詐欺師などなど、犯罪の種類は様々です。

普通のデスゲームものの参加者はほとんどが巻き込まれた一般人だったり善良な市民ですが本作は全員悪人という設定にしています。

なのでこの悪人九人がどのように議論を進めるのかは他のゲームにはない特徴です。

2七つの大罪に例えた犯罪歴

タイトルの「八つ目の大罪」にも書いてある通り参加者の犯した罪を七つの大罪である「傲慢」、「嫉妬」、「憤怒」、「怠惰」、「強欲」、「暴食」、「色欲」に例えています。

 

各参加者はこれらの罪のどれかに該当する犯罪を犯しているのですが序盤では犯罪の内容だけが明かされどの参加者がどういった罪を犯しているのかは一人以外明かされません。

これが面白いところでどの参加者がどの大罪を犯しているのかを予想しながら読み進めるのも本作ならではの魅力でもあります。

その一例として参加者の一人に九十九という人物が居るのですがこの男は母親をバラバラにした殺人者です。

ですがそれだけでは上記の七つの大罪のどれに該当するかは予想できません。

しかも凶悪殺人犯のはずが人狼ゲームが進行していく中この男だけ最後まで全員が助かる方法を捨て身で模索しています。

他にもまともそうな人間がクズだったりクズにしか見えなかった人間が実は過去の犯罪を悔いていたりするので全てを疑いながら役職と嘘つきを考察するのが面白いです。

それともう一つ注目してほしいのが七つの大罪に対してゲームの参加者は九人、これは数が合わないです。

更にこのゲームのタイトルは八つ目の大罪、このあたりも色々想像させてくれるので面白い。

3 プレイヤーはゲームマスターの視点

人狼ゲームといえば参加者である自分にも何かしらの役割が与えられ自分以外の参加者の役割を予想するものですが本作は参加者全員の役割が完全に不明です。

命懸けの人狼ゲームの主催であるセイギノミカタは安全なところからゲームの行く末を見守るのですがこのゲームを読み進める我々プレイヤーはゲームマスターであるセイギノミカタと同じ視点です。

なのでそこいらの人狼ノベルと比べると参加者の役割を当てるのはかなり難しいです。

ストーリーに分岐はありませんが処刑された参加者が人間か人狼だったか予想する選択肢や終盤にて参加者全員の役割を当てる場面があるのですがぼくは8割外しました。

 

頭の良いみなさんならそこそこ当てられると思いますがぼくは当てるのクソ難しいと思いました。

見事に騙されました。

 

人狼ノベルとしては良作の内容

本作の内容はテンプレ人狼デスゲームにこのような特徴を加えたものですがノベルゲームとしての出来はかなり良いです。

各登場人物の罪については処刑される直前にて明かされますしそれぞれゲーム内で不可解な行動をとるのですがそれについても最終的にはハッキリします。

序盤から伏線が張られていることも多いのでクリア後にもう一度読み進めるのも面白い。

ゲーム内で使われる”ローラー”みたいな専門用語や定石についてはゲームマスターであるセイギノミカタが簡潔に説明してくれるので人狼ゲームそのものに詳しくなくても問題ないです。

 

ネタバレになるので詳しいことは書きませんが作中では人を見かけで判断してはいけないというセリフが何度も出てきます。

それは現実でもそうですしゲーム内でもそれを実感させられるので印象に残っています。

あまり知らない人を偏見で判断するのは良くないですね。

不満点

というわけで八つ目の大罪の魅力は以上です。

ここからは不満点を書いていきましょう!

細かい設定を変えられない

ノベルゲームなので「ただ読み進めるだけ」なのですが本作はほとんどのゲームで変更できるテキストの表示速度、自動送り、BGMのボリュームを変更することができません。

 

むちゃくちゃ不便というわけではないのですがCVが実装されているわけでもないのと心理戦が良質なだけに自分のペースで読み進めたいです。

そんな時にゆったりとした立ち絵の表示やテキストの表示はまどろっこしく感じてしまいます。

登場人物のほとんどが狂人

これは不満点というよりかは「好みが分かれるだろうなぁ」と思った点なのですがこのゲームの登場人物は全員狂っています。

途中で気づくのですが人狼ゲームの参加者が全員犯罪者で狂人なので誰が生き残ろうとも最終的には社会に放ってはいけない人間が釈放されます。

主な内容はデスゲームでそれ自体は見事な心理戦の末、決着が着きます。

しかしやべえやつがデスゲームで何人もの人間を殺してそのくせ被害者ヅラして嘘をつき最終的には元の日常を送ることになるのでそこは少しモヤモヤしました。

 

自分の罪を悔いている人物も何人かいることも相まってゲームの勝者の邪悪さが一層際立っています。

総評 有料級の人狼ノベル

以上が八つ目の大罪のレビューです。

総合的に見ると無料とは思えないレベルのシナリオの人狼ノベルです。

プレイヤーが主催者目線であることと狂人しかいないところは賛否が分かれると思いますがメインは人狼ゲームで描かれる心理戦なのでダンガンロンパやレイジングループといった二転三転する議論が好きな人は楽しめる内容なのではないかと思います。

 

なにより無料でコンパクトなボリュームなのでお仕事の休憩時間にでも読み進めるのに最適です。

では今回はこれにて終わりです。

ありがとうございました!

 

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