おしりです。
今回は鬼畜ゲーの金字塔
螺旋回廊をクリアしたのでその評価感想などを書いていきたいと思います。
あの有名なバケツのシーンも出てくるよ!
一部ネタバレを含みますので予めご了承ください。
てことで地味に無視できない基本的なスペックや制作陣について。
発売は2000年の1月で発売元はrúf(ルーフ)
と言っても開発はâge(アージュ)が担当しているので実質君が望む永遠やマブラヴシリーズを作った吉宗鋼紀率いるâgeの2000年代の作品と言っても過言ではありません。
私がうっかり買ってしまった初出のCD-ROM版にはâgeって書いてました。
今現在は初代と2がDVD-ROMになって一緒に発売されている復刻版もあり駿河屋相場は9500円
「20年以上前のゲームならこんなもんか~」って状態と金額ですね。
その後ageアーカイブス~20thBOX Edition~にてWindows10に対応させて収録されてます。
昔のゲームなので当たり前と言えば当たり前ですが説明書にはWindows2000とかXPとか書かれてるので10以降のPCでやるとなると動作に不安ありです。
私の場合はもちろん強制終了しまくりで終盤バグりまくりでした。
螺旋回廊とはまた別の話になるんですがageアーカイブス~20thBOX Edition~には本作と似てるであろうアノニマスや代表作のマブラヴ君が望む永遠が多数収録されているので一度公式サイトを覗いてみてはいかがかな?
当時の螺旋回廊はかなり人気があったようでageのファンが増えたらしく1年経たないうちに2が発売されたことから好評ということで間違いなさそうです。
吉宗さんも螺旋回廊は良いものと公言していることからageの名を全国の大人に知らしめたのかもしれませんね。
そのように製作者が良いものと自負する本作螺旋回廊ですがその内容は
目次
女の子全員人間扱いされず鬼畜の所業に苦しむトンデモゲームです!
EDENの戦士たちに翻弄される大学助教授
初代螺旋回廊の主人公は心理学を専攻する大学助教授 佐伯 裕司(さえき ゆうじ)で季節は12月
タイトル画面であの曲が流れていることからも男女の恋愛を描き12/16(金)からクライマックスとなるクリスマスに向けて盛り上がっていく冬ゲーなのです。
佐伯先生(以下先生)は毎日のように大学で論文を作成している推定30前後くらいの男性でパッケージのメインヒロインでもある水代 葵(みずしろ あおい)からはパソコンについて逆に教えられることもあります。
そして水代 葵(以下葵くん)の親友のメガネっ娘葉子からも好意を寄せられているモテる男です。
しかも同じ大学に努める草薙 香乃(くさなぎ かの)先生とも仲が良く周りは女性だらけなのです。
序盤は葵くんと葉子の三人でファミレスに行ったりめっちゃ平和な大学生活を送るのですが葵くんのHPを自宅PCから見るためにURLを手動で入力すると・・・
おいおい葵くん・・・
葵くんのHPと思われるものはEDENと呼ばれていて
女性を家畜以下の扱いしそれを記録した常識外れのコンテンツが大量に更新されていく違法感漂う悪魔のページでした。
どうでもいいですが「おいおい葵くん」はCV野原ひろしで脳内再生された。
佐伯先生はEDENで見た監禁されている女性の場所を考えてしまい写真の場所である大公園の倉庫がどこなのかをすぐに特定してしまいます。
その日は危険がいっぱいであろうそんな場所へは行かないつもりでしたが先生は過去の出来事や悪夢、心理学を専攻していることもあってどうしてもその女性が頭から離れません。
てことでなぜか大公園に居て倉庫の扉を開けてしまうのです
その倉庫内はEDENで見つけたあの写真と同じで拘束された女性は先生の目の前で見知らぬ男にやられてしまいます。
男は不穏なセリフを吐いてその場を立ち去りますがここ数年女性と交わっていない先生のキン〇マと良識が揺らいでしまいます
てなわけで最初の選択肢が現れ選択によっちゃあ主人公である先生が鬼畜な男となるのです。
ですがなにもしない方が良いものを見れるのでそのまま立ち去った場合の話をしましょう。
倉庫の一件からEDENのことが頭から離れない先生ですが好かれている大学助教授らしく飲み会に行ったりまだ日常を満喫できています
しかし唯一相談できる草薙先生にだけEDENのことを話しそのページを見せると戸惑いながらも「これはいい研究材料」と言われます。
その言葉が心理学を専攻している自分がEDENという外道過ぎるホームページに入り浸ることを肯定してくれたかのように聞こえたのかもしれませんね。
以降は傍観者としてEDENの人間がどんな「遊び」をしているのかを見ていきます。
しかし自分は安全な場所から高みの見物をしていると思ったら葵くんに謎の電話がかかる
ありえない量のFAXが送られてくるなど徐々に不可解な出来事が起こり始め先生の日常は浸食されていくのです。
もうお察しだとは思いますがそれらはEDENの戦士たちによる仕業で最終的に先生は常に監視されPCに直接メッセージが届いたりで四面楚歌すぎる状況になすすべなしです。
ラストはEDENの戦士たちによってさらわれ倉庫のあの女のように弄ばれた葵くんと草薙先生の動画を見せられてしまいやつらは先生に二択を迫ります。
葵くんと草薙先生のどちらを助けどちらを差し出すかの二択を
ADVといえば選択によってその後の展開が変わるわけで「究極の二択」といえばシュタゲを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
その究極の二択はめっちゃ前からR18のゲームでもあったんですね
この時の先生は自分がこれまでに培ってきたすべての常識が通用しないEDENの戦士たちに戦意喪失し今が夢なのか現実なのか区別がつかずメンタルをボロボロにしながらも選ぶことになるのです。
あの有名なバケツのシーンは葵くんを選んだ場合なので葵くんを求めて家で待機しましょう
やつらによって葵くんはバケツに詰め込まれ先生の元へ送り返されるのですがそれまでにビデオで葵くんが吊るされ一人ムカデ人間のような状態になってる鬼畜プレイを見せられさらに先生を追い込みます
そして0:00の遊びが終わる時間になると葵くんが先生の元へ帰って来ます。
メールの内容通りバケツに詰め込まれた葵くんを受け取るのですがそのバケツは生ごみを詰めるのに使われるバケツでクリスマスプレゼントと書かれています。
蓋を開けると裸にプレゼント用のリボンをつけられた葵くんが先生を見て
「もう・・どこにも戻れません・・」
ね!クリスマスがクライマックスの冬ゲーでしょ!?
これにて葵くんのエンディング
ではなくさらにもう一個の選択肢が現れます!
その選択はどこにも戻れなくなった葵くんをEDENに渡すか受け入れるか?
いらないを選んだ場合はふたを閉めて今もどこかで監視しているであろう連中に聞こえるよう
「これはいらない!持って帰ってくれ!」と言い持って帰らせます。
葵君の目の前でこれと言ってしまうところを見るに先生は葵くんを人間扱いできていないように思えます
こうして草薙先生ではなく葵くんを選びその葵くんを救うことも受け入れることもできずに佐伯先生の葵ルートは幕を閉じるのです。
鬼畜とサイコホラーの金字塔
螺旋回廊の初周 佐伯先生ルートはそんな感じで最後の分岐は葵くんを受け入れたり草薙先生を選んでバックで入れて先生を見れるレアシーンを用意されてたりしてエンディングを見るたび他の登場人物の視点も追加されていきます。
今回はあまり触れませんが他の人物の視点でも同じ物語なのでクリスマスにかけて日常が侵食されていくサイコホラーを味わえます。
葵くん視点では最後バケツに詰められ「お前いらねえって言われたらマジ終わんだぞ」となぜか心配され最後にせめて最後にもう一度会いたいという気持ちが描写されたりと2周目以降も鬼畜ゲーでした。
てゆーか草薙先生を選んだ場合って葵くんの「せめて最後にもう一度会いたい」っていう願いすら叶わずEDENの戦士たちにおもちゃにされるんですね・・
そんな螺旋回廊ですが見たところちゃんとしたレビューや評価は個人ブログもYouTubeも含めて極端に少ないような気がします。
少なくともこのページのように5000文字も書いてる人は観たことありません。
その割にバケツのシーンが衝撃的過ぎたのかそのシーンだけは知ってる人も多いっぽくて私もその中の一人でした。
てことで何度かアップデートされてる作品で知名度もありますし私が評論家おしりとしてこの素晴らしい鬼畜ゲーを熱く語りましょう。
まず初めにシナリオですが二つの深淵に追われている感がありまあまあな恐怖演出もう一度振り返ると
大学で日常を過ごす佐伯大学助教授
↓
うっかり踏み込んでしまったEDEN関連の出来事により平和な日常は蝕まれていく
↓
最終的に周りに人間が連れ去られ人間としての尊厳を・・・
そんな感じです。
実は作中で起きたことはそれほど多くなく案外こんなものです。
視点を切り替える関係でモノローグや過去編の回想から登場人物の掘り下げは十分すぎるほどできているかなと思います。
特に佐伯先生は過去の斑鳩(いかるが)という男や兄関連の出来事から作中で悪夢に悩まされていてEDEN+それらの悪夢という二つの深淵に追われている感がありまあまあな恐怖演出となってます。
EDENの戦士たちによる嫌がらせもメールFAX電話といった通信手段から自分の行動は筒抜けであり、いつなにをされてもおかしくない掌の上であることがよくわかるのでこちらも怖いですね
BGMも印象に残りやすくてラストの切ない感じも良し!
タイトル画面では赤鼻のトナカイでクリスマスにあんなことが起きるので曲に対する印象が変わるんすよ・・
フラテルニテでいう仰げば尊しみたいなものです。
SEはFAXや電話といった機械音声の使い方が秀逸で結構ビビります。
で、選択肢は「どっちを選んでも絶対状況良くならんやん・・」みたいなのが終盤になるにつれ増えていきそれをわざわざプレイヤーに選ばせるところが鬼畜ゲーたる所以だと思います。
最後の葵くんと草薙先生の選択とかあれが最後の選択でよくね?感があるのにそこからさらにもう一発鬼畜な選択を迫るのがヤベエ!
鬼畜ゲーの金字塔とまで呼ばれWindows10で復活し伝説みたいな扱いされるのも納得です
かといってそれらの恐怖は幽霊が出てきたりいきなり首ちょんぱシーンが出てきたりするわけでもなく徐々に徐々に日常が侵食されていき人間の恐ろしさからくるものでサイコホラーとしても完成度が高いと思います。
クリスマスのお話で主人公の女がさらわれ結局一番怖いのは人間だよねって言いたくなるところはリンダキューブとも似てますね。
そういうゲームなのでう〇こまみれになるプレイも用意されてるかと思いましたがそんなことはなく葵くんは直前で助かります。
それ以外も血が流れるエンディングは日比野くんっていう狂った先生にハサミで整形されてしまう女の子くらいで絵は意外とマイルドでサイコホラー要素の方が多かったですね
他人がうろたえる姿は面白い?
初代螺旋回廊はそういう感じのゲームです。
ここまでで本作の内容とか雰囲気はほとんど伝わったんじゃないかなと思います。
2000年発売でインターネット黎明期に誕生したゲームなので時代を感じる描写は多々ありますがネットは恐ろしいものという認識は誰しもあると思いますのでテーマとしてもわかりやすいんじゃないかな?
作中で起こった事はやばすぎるわけで令和のこのご時世そんなことは起こらないだろうと思えますが意外とね~
違った形で哀しき事件は起きてると思いませんかね?
例えばSNSでの誹謗中傷罵詈雑言、1の悪事や失敗に対して50くらいの攻撃しちゃう人もいますからねぇ~
それ以外だと闇バイトやらフォロワー数の多い人間の不倫騒動などなどEDENほどの過激さなのかどうかは知りませんが24年が経過した今でも事件は起きてますね。
たぶんここから一気に減ることはないんじゃないかと思います。
なぜなら
他人の堕落はみていて罪悪感を抱かなくて済むから
作中では「人間は生まれながらにして悪だから悪いことの方が本当は楽しい」
なんて話も出てくるわけでもちろんEDENのやってることはやばすぎですが他人やどうでもいい人がドッキリや危ない企画で苦しんでるのは観てて面白いでしょ?
例を挙げると水曜日のダウンタウンのクロちゃんを監視し続ける企画とかちょうどいい「悪くて面白い事」だと思います
でもあれはクロちゃんだから笑えるのであってやられるのが自分の家族や大切な人だと笑えんでしょ?
それに笑える企画には「ドッキリならぎりぎり許される内容」であることが多いです。
その辺は昔と比べて人類が進化したんだと思います。
EDENの戦士たちがやってることは笑えないくらい鬼畜なことですがその様子を監視する傍観者にとってはどうでもいい人間だから心が痛まず楽しめてるんだろうなと感じましたね。
SNSも不祥事を専門的に取り上げるチャンネルが支持を得ていたり悪い出来事ほど広まりやすいので人間の底すら無い悪意が垣間見えるゲームでした。