おしりです。
今回は現実味を帯びていてなおかつ後味が悪い終わり方をするエンディングを5つご紹介します。
これらは自分もしくは周りの人間がそうかもしれないので今現在、心が弱っている方はご注意を。
それとエンディングの解説になりますのでネタバレを含む内容になります。
あらかじめご了承ください。
目次
ダブルキャスト 二村
一発目は1998年に発売された主人公とボクっ娘が繰り広げる大学ラブコメ
に見せかけたガチサスペンスアドベンチャー、ダブルキャスト。
Googleで画像検索すると真っ先にネタバレという地雷を踏んでしまうことで有名なあのエンディングの印象が残りやすい本作ですが
今回紹介するのはそれとは別の、主人公が所属する映画研究部の同期である二村(ふたむら)に焦点を当てたエンディングです。
ダブルキャストとは大学生の主人公と映画研究部の男女がかこひめの寝屋(かこいめのねや)という映画を作成するお話。
このかこひめの寝屋というシナリオは過去の映画の撮影中に主演女優がシナリオにのめり込み現実との区別がつかなくなりそれを不審に思ったスタッフは次々と撮影をやめていきます。
最終的にカメラマン兼監督と女優の二人になり最後は大学の屋上から二人が飛び降り死亡するという事件が発生した曰く付きのシナリオです。
本編で映画研究部が撮影を進める中でも主人公の頭上から植木鉢が落下するなど徐々にサイコホラーな展開が繰り広げられます。
そんな不穏な撮影環境の中撮影旅行の夜、眠れない主人公は二村とかこひめの寝屋について話を始めます。
そこで二村は友達から聞いた話といいこのシナリオに関係する話を聞かせてくれます。
その内容はこんな感じ。
その友達は映画研究部の人と交流があり撮影を手伝っていましたがその映画研究部は意見の食い違いで主演女優と監督の二人で
映画を作成することになってしまいます。
それから映画研究部とは疎遠になっていた友達ですがある日偶然女優と出会い久しぶりに撮影の手伝いをすることになります。
その日の撮影は屋上から飛び降りるシーンで友達は命綱の準備を任されるのですが女優を驚かせようとしてロープを少し緩くします。
その瞬間に
スタート
監督の一声で飛び降りの撮影が始まります。
ロープを緩めた瞬間に飛び降りたので命綱は何の意味もなく女優は屋上から転落死。
急いで屋上へ上がってくる監督に対して友達はロープで罠を作り監督を引っ掛けます。
冷静さを欠いた監督は罠でバランスを崩しそのまま屋上から転落死。
その間も撮影は続いていたので女優と監督が屋上から飛び降りる映像は記録されています。
これが二村より明かされるかこひめの寝屋の真相です。
この後は二村が撮影旅行に持ってきた映像を一緒に観ることになるのですがその映像は
監督と女優が飛び降りるというものでした
なぜ二村がこの映像を持っているのか?
それは先ほどの話が友達の話ではなく二村自身の過去の話だったからです。
二村はこの映画を完成させなきゃ死んだ女優さんに悪い
ぼくが映画研究部に入ったのはこれを完成させるため
などと、自分が二人を殺したことについては罪悪感を感じているようには見えません。
それどころか自分の手によって人が屋上から飛び降り命を落とす瞬間を「素敵だろ」と言います。
これの何が不気味で後味が悪いかというと
アドベンチャーゲームにありがちな分岐によって登場人物が悪人となるエンディングではなくどのルートでも共通の過去編であり二村がそういうサイコな人間であることが確定しているということです。
しかもこの話を自分から主人公に話し始めるのも意味がわからなすぎて気味が悪いです。
ですがかこひめの寝屋の真相が明かされるのでこれがトゥルーエンドなのでは?
という意見もあるようです。
序盤の記憶を失ったボーイッシュボクっ娘、美月とイチャつくシーンからは想像もできないサイコホラーなエンディングです。
過去に大罪を犯しておきながらのうのうと生きている人間が描かれるという部分はリアルなのでご紹介させていただきました。
昔のゲームですがフルボイスでよく動くアニメ絵、緊張感のあるサスペンスなシナリオは今でも楽しめるクオリティです。
しかも声優陣が豪華、男はワンピースのキャラと聞いたことのある人が多く出演しています。
あの有名すぎるエンディングはこちらからどうぞ
サイコロサイコ 災子
ヤンデレアドベンチャーに定評のあるCHARONのねこふじかおる先生の作品「サイコロサイコ」。
こちらはメンヘラフレシアの続編という扱いであり物語の構成はメンヘラフレシアに寄せた作りになっていてメンヘラフレシアのヒロインもちょっとした出番があります。
前作のテーマがタイトル通り”メンヘラ”だったのに対し本作は”精神病質”がテーマとなっています。
大体の雰囲気はメンヘラフレシアと同じですがシステム面やルートエンディングの数はこちらの方が多くボイス無しという点以外は完成度が高く無料でやっていいのか疑うクオリティです。
公式は「15歳未満の方のプレイ、閲覧を禁じます。」と注意書きをしています。
今回紹介するのはヒロインの一人である災子(さいこ)ルートのハッピーエンド「ほんとうのしあわせ」。
主人公のめたろーと災子は毎朝花の水やりをするだけの友達、ですがめたろーは可愛い災子に興味を持ち始めるところから始まります。
災子は明るく可愛い女の子ですがいわゆる不幸体質というヤツでめたろーの目の前では植木鉢が落下したり車に轢かれたりと常に命の危険を感じるレベルの不幸に苛まれています。
そんなある日、災子は火事で家と両親を失います。
この一件から災子は音信不通になりめたろーは心配で心ここに在らずといった状態に。
ですがとある日の帰宅路で葬式帰りの災子と再開します。
それから音信不通の間に災子に起こったことを聞きますが不幸のレベルが壮絶すぎてめたろーは何も絶句し災子と別れます。
後日めたろーの元を訪れる災子、めたろーはここで災子が親の借金返済のために夜のお店で働くことになったと聞きます。
ここの選択肢で「僕はそれでも・・・」を選ぶと災子と駆け落ちしハッピーエンドへと分岐します。
スタッフロールが流れエピローグでは幸せそうな災子とめたろーの会話が描かれます。
今では冗談も言えるようになった災子、ここでハッピーエンドと思われたのですが
災子はホームへ飛び込みます
ここまでは「ねこふじかおる先生にしては不幸体質以外普通の女の子だな〜」という印象でしたが最後の最後でまさかの自殺。
この後も少しだけ物語は続き災子がこのような行動をとった理由が判明します。
客観的に見ると災子は不幸が続きながらも懸命に生きる女の子ですが自分が可哀想な人間、哀れみの目で見られることを気持ちいいと感じてしまうのでした。
中盤の火事も自分が可哀想な女の子になるために自分で仕掛けていたのです。
この狂気、さすがねこふじ作品といったところでしょうか・・・
今回は現実味を帯びた後味の悪いエンディングなのでここで少し真面目な話をしましょう。
この災子という女の子は最後に他人から向けられる同情の眼差しにより精神的満足感を得ていることが判明したわけですが
こういう精神疾患をミュンヒハウゼン症候群というそうです。
先ほどお話しした通り本作のテーマは精神病質、おそらく災子の精神病質の元ネタはこのミュンヒハウゼン症候群でしょう。
もし間違っていたらすいません。
でもってミュンヒハウゼン症候群で有名な話が2chスレ「事故に見える片足の切断方法」。
PTSDだとか鬱病ほどの知名度はありませんがこれも決して他人事ではないもしかしたら身の回りの人がそうかもしれない精神疾患ですので今回ピックアップしました。
↓CHARONゆにばーす URL
パワポケ5 めぐみバッドエンド
後半のシリーズでは彼女攻略がメインといっても過言ではないくらいに恋愛部分の作り込みがすごいパワプロクンポケットシリーズ。
今回は現実的な後味の悪さを感じさせてくれるエンディング、ポケ5のめぐみバッドエンドより2連発です。
めぐみとはファミレスへうろつくことで出会うことができる女の子で注文を聞かれた際にメニューではなく「きみ」を選び続けると徐々に打ち解けていきます。
そんなある日にファミレスで店長に泣かされているめぐみを見かける主人公、店長とめぐみの関係に疑問を抱きつつもその日はファミレスを後にします。
それから数日後、めぐみと偶然出会いストーカーに追われているところを助けます。
これを機に主人公とめぐみは仲良くなり付き合うことになります。
ですがストーカーの正体が店長であることが発覚した日に突然めぐみから「あなたに隠していたことがあるんです」「ごめんなさいやっぱり言えない」「私はあなたに似合う女の子なんかじゃないんです!」
などと言われ一方的に別れを切り出されます。
ここで特に行動を起こさずめぐみと分かれるとバッドエンドへ分岐します。
その内容は店長とめぐみがデートをする中それに納得できない主人公がストーキングをするというもの。
最初はファミレスの店長がストーカーだったのに対し、このエンディングでは主人公がめぐみと店長のストーカーとなってしまいます。
実はめぐみが隠していたこととは過去に店長と付き合っていた(?)ことで振られた挙句ホテルへ向かう店長にめぐみをNTRされてしまい
なりたくなかったであろうストーカーになってしまうというなんか大人の恋愛ではありそうななんともいえない結末を迎えます。
もう1つの後味最悪エンドはめぐみ○亡エンド。
こちらはめぐみと別れた後に電話をかけて家まで行くなど、めぐみのために行動した結果、運悪くめぐみと再開できなかった場合に分岐するエンディングです。
最終的に主人公はめぐみと話をするために恵の家に行くもそこでは葬式が行われていて話を聞くと変な中年の男に関わったばかりに亡くなったという話を聞きます。
エピローグでは2年後に墓参りする主人公が描かれて
「君のことを忘れるには、そうだな、あと100年も経てば忘れられるかもしれないな」
というセリフが強烈です。
ですがこちらはパワポケシリーズの彼女攻略のゴールである超特殊能力の入手はできるので気分は沈みますが一応攻略完了できてます。
As usual. 今日も、いつも通りに
最後はせがわさんが制作されたフリーゲームAs usual.
こちらはご本人様曰く一本道の雰囲気ゲーとのことですが本作のエンディングがかなりの鬱エンドだったのでご紹介です。
先に言っておきますが10分前後でエンディングを迎える鬱ゲーなので面倒でなければ実際にプレイしてみることをおすすめします。
すぐ終わるし時間の割に印象に残るんでね。
As usualとは日本語訳で「いつものように」
タイトル通りこのゲームでできることは歯磨き洗濯、食事といったいつも通りの日常生活です。
ですがこのゲームは過去に何があったか詳細は明かされないものの未知の生命体によって地球は乗っ取られていることが徐々に明らかになっていきます。
その生命体は車や飛行機に寄生して人間の命を奪うようで実は主人公が生活するこの家もほとんど化け物に寄生されています。
普通の家に見えるのは主人公が薬を飲んでいたためです。
ですが主人公は娘と妻が化け物に命を奪われ薬の効き目も薄れてきていることからいつも通りのように見えていた生活が長続きしないことを悟ります。
完全に目が覚めた最後の日では食事として妻の肉を食べ、娘の足で火を起こし何の意味もなくなった弔いをする様子が描かれ本作は幕を閉じます。
ざっくりですが内容はこんな感じ。
荒廃した世界で家族を奪われ独りとなった男の孤独が描かれています。
BGMといい、家族の呪いじみた遺言といい、最初から最後まで陰鬱です。
主人公のその後のお話はAs usual.M08にて描かれるのですが本作だけ見るとめっちゃくちゃ後味の悪い鬱エンドです。
愛していた家族に先絶たれた人間の心情描写が短いながらもしっかり伝わるところがきついっす。
この孤独感がリアルなんですよね。
それとこれは聞いた話なんですが本作の謎の生命体によって侵略されてしまった世界は沙耶の唄の肉塊エンドのその後という説もあるそうです。
確かに見た目が肉塊ですしそう考えても何の違和感もないです。
ただし沙耶の唄って病院END以外は本当に最悪なエンディングなんだと再確認させられましたね。
では以上で現実味を帯びた後味の悪いエンディングの紹介を終わります。
現実にありそうという観点から
サイコ野郎、ミュンヒハウゼン症候群、ストーカー、孤独な一人暮らし
をピックアップしてみましたがこうしてみると「自分には関係ないから」と一蹴することはできない終わり方ですね。