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全ての電波ゲームはここから始まった!元祖電波ゲー雫をレビューします!




おしりです

今回は1996年にアダルトゲームメーカーLeafが発売した古の電波ゲーム

 

雫をクリアしたのでその評価感想などを書いていきたいと思います。

25年以上も前のゲームになりますので犯人とか普通にネタバレしますのでそのつもりでお願いします。

 

痕リメイク4種類収録

まず初めに本作雫ですが私がプレイしたゲームの中でも一番古いR18ゲームとなります。

ですが入手難易度はそこまで高くなくLeaf/AQUAPLUSより発売された痕〜きずあと〜のリメイク版に同梱されています。

この痕は本作雫と世界観を共有する内容で雫がLeafビジュアルノベルシリーズの第一弾

痕がLeafビジュアルノベルシリーズの第二弾なのです。

 

でもって長き時を経てリメイクされたのが痕

 

これがその痕リメイク版のパッケージで一見普通の痕リメイクにしか見えませんがインストールするとしれっと雫 雫リメイク 痕 痕リメイクの4作品の起動準備が完了しています。

 

ベタ移植ではありますがオリジナル版も普通にWindows10で動作して何の誤作動もなく完走できました。

というか私の場合はなぜか逆にリメイク版の雫で常にスキップモードになるという謎の仕様に苦しまされました。

 

ということで今回使う映像の大半はオリジナル版になります。

全ての電波ゲーはここから始まった?

雫で有名なシーンといえばこちら。

電波ゲーやら昔のゲームを好き好んで見る人は類似画像を見たことがあるかもしれませんね。

 

ニディガでオマージュされていて赤黒い画面からさよ教のオマージュと勘違いする人もいたそうでいまだに根強い人気を誇るシーンでもあります。

 

でもって特徴としては全ての電波ゲームの先駆け、ご先祖様であり電波ゲームのお手本のような内容です。

本作の”一番の特徴は電波ゲーであること”なのでまず初めにゲームに使われる電ゲーの意味を予習復習しましょう。

といっても「意味がわからない」「読んでると頭がおかしくなりそう」といった内容のものを電波と言うそうでそれと同じく電波少女とはコミュニケーションをうまくとれず会話のキャッチボールが成立しない女の子のことを指します。

ニッチなジャンルなのか最近は電波ゲー電波ヒロインは全くといっていいほど見なくなりましたが素晴らしき日々終ノ空の音無彩名

君と彼女と彼女の恋。のアオイなんかは電波少女に該当しますね。

どちらもアダルトゲーム出身なので伝わるかどうかはわかんないんですけど…

ちなみに一般人が言う電波は8割スマホの電波のことなので現実世界で知り合いや上司が電波と言ったからって自分が好きなアニメの話題になった瞬間饒舌になるオタク君のように過剰な反応を見せるのはおすすめしません。

クールにいきましょう。

 

そんな狂ってるという意味での電波という単語を広めたのはこの雫だそうです。

事件の真相を調べるために夜の学校で‥

電波の説明はこれくらいにして本編の内容についてですね。

舞台は普通の学校、主人公長瀬祐介(ながせゆうすけ)は常日頃退屈な学生生活を苦痛に感じてる男でこの地球を破壊する?

みたいな妄想に耽っているちょっと危ない系の陰キャです。

 

退屈な毎日を少しでもマシにするため精神を妄想に委ね狂気の扉を開きたいという考えを持っています。

 

そこで全ての始まりとなる事件が発生!

同じクラスの太田加奈子が教室で発狂し放送禁止用語を連呼します。

初めは優等生である太田の下ネタにゲラゲラ笑う生徒でしたが太田の様子がおかしいことに気付き不穏な空気が流れます。

すると太田は正気を失い自分の顔を引っかきながら発狂し始めました。

こうしていきなり正気を失った太田は病院へ運ばれてしまいます。

 

ここで祐介が思ったことは

 

羨ましい

祐介は退屈な日常から抜け出すために狂気の扉を開きたいと思ってました。

そこで自分の目の前に現れたのが狂気の扉を開いたであろう太田。

全校生徒が不気味に思う中祐介だけは太田に強い憧れを抱きます。

それからしばらく経つと自分の叔父であり同じ学校の先生から太田がああなった原因について話されます。

 

太田が正気を失う直前に書いていた日記には夜の学校に忍び込んでなにかよくないことをしている

病院での検査の結果、発狂事件の前に異性と交わっていたことなどが判明しました。

そこで叔父からは太田加奈子発狂事件の真相について秘密裏に調べてほしいと頼まれます。

断ったらすぐエンディングにいっちゃうのでその依頼を受けて事件の真相を調べるのが主な内容です。

 

元祖電波ゲーといっても最初から最後まで意味不明な内容ではなくちょっとおかしい主人公が発狂事件の真相を暴くために夜の学校を探索するというわかりやすいものです。

 

ということで学校を探索するのですが夜までに事件の手がかりを探します。

そこで太田加奈子の親友である瑞穂

部活で夜遅くまで学校に残っていて偶然人影をみた沙織

屋上で出会う謎の少女瑠璃子に話を聞き誰と夜の学校を探索するのかを決め調査パートへ進みます。

 

ここからはR18ゲームらしくこの3人のヒロインと行動して夜の学校でhなことをしてハッピーやバッドなエンディングに分岐します。

一応調査前には叔父から「夜の学校では生徒の誰かが集団でhなことをしている可能性がある。

お前も二人行動だ、そいつらと同じようにhしてる場合じゃないぞ」的な感じにミイラ取りがミイラになるな

夜の学校でhしてる犯人をみつける人間が夜の学校でhしてる人間になるなと釘を刺されますが半分くらいのルートで夜の学校でhするお盛んなヤツになっちゃうのです。

 

 

メインヒロインは瑠璃子

分岐までの物語はそんな感じです。

そして分岐後は各ヒロインごとに少しだけ展開が異なり太田を狂わせてしまった犯人である月島と対峙するのですがこいつは電波を操る能力を持っているようで毒電波を送信できるそうです。

 

その毒電波を受信してしまった人は月島の思い通りに動かされ太田のように狂ってしまったり脳のリミッターを外されたりとめっちゃ万能な能力として悪用されています。

 

ですがその電波についての詳細、月島がなぜ電波を悪用しているのかは瑞穂ルートでも沙織ルートでも明かされることはありません。

なので事件の真相は3人目のヒロインである瑠璃子ルートでのみ明かされます。

この瑠璃子というヒロインは典型的な電波少女でところどころ会話が噛み合わなかったり目が狂ってしまった太田と似ていたり謎が多い少女です。

瑠璃子以外は事件の真相を調べるために学校を調査する普通のゲームですが瑠璃子ルートではいきなり「私は屋上で電波を受信していたの」

「長瀬ちゃんに私の電波は届いた?」みたいな意味不明なことを言われます。

 

分岐後は瑠璃子の過去の記憶を見るという超能力としか思えない現象が起こり祐介は瑠璃子に惹かれ本作のボスである月島へ挑むことになります。

そしてなんやかんやで電波の力に目覚めた祐介は月島と電波のぶつけ合いになります。

二人の激しい電波に周りの人間は意識を保てなくなり気絶します

完全にワンピースの覇王色のぶつかり合いです。

 

祐介はこの覇気勝負に勝って瑠璃子ルートはエンディングに向かいますがこの瑠璃子トゥルーで事件の一連の流れや瑠璃子が狂気の扉を開く前の目をしていた理由が明かされ雫という物語は幕を閉じます。

 

他二人のルートと比べると明らかに力が入っていて雫のメインヒロインは瑠璃子>>>>瑞穂>沙織みたいな印象です。

総評

6割解説しちゃいましたが雫の内容はそんな感じです。

 

総評すると元祖電波ゲームそれでいて瑠璃子ルートは電波ゲー電波少女の原型となったのも納得の内容でした。

 

重要人物である瑠璃子と月島については二人の関係性、過去に何があってなぜ本編開始時に狂っていたのかが明かされますしそこに電波の力を使えるようになった主人公が介入し優しくも儚いラストを迎えるわけですがそこは意味不明気味な前半あってこその良シナリオだと思います。

一応2週目からはハッピーエンドに突入できますが私は1週目のハッピーじゃないトゥルーの方が好みですね。

 

登場人物の半分くらいが本編開始時に狂っているので電波ゲー狂気ゲーといった印象は強めですが先ほど話した通り怪事件の真相を確かめるために夜の学校を探索するというわかりやすいものです。

なので謎だらけの考察ゲーというわけではなく、もしマイルドな内容になってCS機に移植されている、さよ教や終ノ空みたいなガッツリとした電波ゲーはちょっと…という人にはおすすめできる内容です。

 

じゃあどの辺が電波な内容だったかというと

電波って結局何だったの?

これに尽きます

瑠璃子さんの電波月島さんの電波祐介の電波で覇気合戦や記憶の操作リモートコントロールといっためだかボックスのような能力バトル漫画展開を繰り広げるわけですが電波とはなんだったのかについてはよくわかりません。

一応月島からは空から降り注ぐ人間にとって有害な電波、ぼくはそれを操る超能力を手に入れた

とのことですが電波についての説明はこの程度です。

 

これについてはジャンプ漫画で言う呪力 霊圧 気オーラみたいなものだと思ってあまり気にせずそういうものと思った方が良さそうです。

なので”普通の学校に毒電波とそれを操り悪用する人間がいたら?”というお話が雫なのです。

 

そして今の電波少女が電波と呼ばれるようになったのも電波(を操る)ゲームのメインヒロインがそういう特徴を持っていたからなのではないでしょうか?

今では毒電波とか電波を操ることとは無関係に意味不明な女の子やゲームのことを電波と言いますがこの雫に関してはそのまんま電波を操っていたから意味不明=電波として浸透したのだと考察します!

 

最後にリメイク版との違いにも触れましょうか。

痕リメイクには雫のオリジナル版とリメイク版の両方が収録されているわけですがこの二つの違いはCVビジュアルが大幅に進化しているところですね。

やはり1996年発売のゲームと2009年にそれをリメイクした場合では天と地ほど差があります。

 

雫オリジナルは画面の変化に乏しかったのですがリメイク版ではよく動きます。

祐介視点でみる世界が狂っていく様子や沙織ルートで月島から逃げるパートもそこだけ見たらADVというよりかはホラゲみたいになってました。

 

私はスキップモードが解除されないのでほとんどオリジナル版しかしませんでしたが瑠璃子と月島の関係性以外はほとんど同じ内容ですしオリジナル版での大きな欠点だったセーブデータの管理方法も快適になってるのでよほどのこだわりがなければリメイク版の方がよろしいかと。

 

というか昔のゲームなだけ合ってオリジナル版の雫はとにかく不便です。

エンディングを迎えると必ず最初から、途中セーブしてエンディング後に分岐前のデータをロードしてもうひとつの選択肢へ

みたいなことができません。

そのせいで分岐前までを何度もスキップしながら読み進めるわけですがこれは大きな欠点です。

そこを改善したリメイク版は超快適だと思います。(数時間しかやってないけど‥)

 

一つだけリメイク版の残念なところを挙げるとするのならば電波ゲーという独特のジャンルであることから新しめの綺麗な絵よりも数十年前の荒めの映像キャラデザの方が合ってる気がする点ですかね。

例の屋上のシーンもリメイク版だとあまり電波少女な雰囲気を感じられない小綺麗な印象です。

 

まあここも私の好みですがね

似たような例を挙げるとリンダキューブもリメイクされるならムービーは当時の薄暗い雰囲気のままにしてほしいです。

 

なんにせよ瑠璃子ルートは綺麗にまとまった内容で電波とはなにか?それ以外はオカルトチックでわかりやすくちゃんとした内容です。

では今回はこのへんで。

 

 

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